東京都といえば武蔵国(むさしのくに)。ゆえに始まる、「江戸川634杯(えどがわむさしはい)」です。江戸川でのモーターボート大賞はこの開催名称なわけですが、個性爆発のこの水面にふさわしい決着がいくつも生まれてきました。
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- 前回の優勝戦は荒れたかと思いきや荒れなかった!?下出卓矢の技あり大逆転
- 東京支部を打ち砕きに各地の猛者が集結!ドリーム戦出場選手の12名はいずれもV候補
- 634杯だぜ?ドリーム戦の3号艇・4号艇・6号艇を吟味し、そこから注目選手3名をピックアップ
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目次
<前回優勝戦回顧>「江戸川634杯2021(江戸川競艇G2)」は下出卓矢が意地の抜き返しで優勝!
艇番 | 選手名 | 所属 |
---|---|---|
1 | 下出 卓矢 | 福井 |
2 | 若林 将 | 東京 |
3 | 土屋 智則 | 群馬 |
4 | 山田 哲也 | 東京 |
5 | 井口 佳典 | 三重 |
6 | 鶴本 崇文 | 大阪 |
「なんじゃこの展開!?」
そう叫びたくなるファンもいたでしょうが、ここは江戸川です。こういうこともあります。しょっちゅうあります。
そんな優勝戦のコンディションは「ホーム向かい風6m」「波高10cm」「安定板使用」での開催。スタートは6号艇の鶴本崇文選手が遅れた以外はコンマ10前後でそろった感。なかでもトップスタートの井口佳典選手はコンマ08ですばらしかったですが、先マイした1号艇の下出卓矢選手へ2号艇の若林将選手が差しこみます。
伸びが信条の個性派ボートレーサーである下出卓矢選手。懐まで入られては万事休すかと思われたものの、この優勝戦ではチルトを2度から1度に下げていたのが功を奏しました。5号艇の井口選手も絡む乱戦を巧みに利用し、1周目2マークから2周目1マークへかけて1番手の奪還に成功。逆に若林選手は転覆してしまい、2番手には4号艇の山田選手が浮上することになりました。
1-4-5。終わってみれば”抜き”での1号艇勝利。3連単は13番人気で3,560円の払い戻しとあって、「波高10cm環境の江戸川にしては平穏」な決着だったわけですが、そこに至るまでの展開が楽しいという事実を示す好レースでした。
狂艇ギャンブラー真里谷のシリーズ展開予想&注目選手~2つのドリーム戦から考えてみよう
実際のところ、今回の「一発やりよるんじゃないか?」という注目選手は、上記の3名になります。しかしながら、「何が起こるかわからん江戸川」、その代表格たる「江戸川634杯」ですから、多角的な物の見方をしていくのは重要でしょう。
- 岡崎恭裕(4296/福岡)
- 新田雄史(4344/三重)
- 永井彪也(4688/東京)
よって、順を追って「なぜ3人が気になるのか」を見ていくことにします。その鍵となるのが、今節の「初日12R」と「2日目12R」に組まれた”2つのドリーム戦”です。
「江戸川634杯」は江戸川周年競走の「江戸川大賞」と違って、「東京支部vs全国選抜」と昔から銘打っているだけあり、そうした対決構造を明確にした番組となりました。これら両日のドリーム戦を見定められるかどうかは、今開催の舟券の成否につながることでしょう。
「江戸川634杯2024」ドリーム戦①/初日江戸川12R
艇番 | 選手名 | 所属 |
---|---|---|
1 | 大池 佑来 | 東京 |
2 | 田村 隆信 | 徳島 |
3 | 福来 剛 | 東京 |
4 | 湯川 浩司 | 大阪 |
5 | 池永 太 | 福岡 |
6 | 新田 雄史 | 三重 |
初日(2024/01/15)のドリーム戦はこの6艇。東京支部の実力者である大池佑来選手が1号艇、福来剛選手が3号艇に入りました。
しかし、遠征勢も激アツな面々。特に目立つのは、2号艇の田村隆信選手と4号艇の湯川浩司選手でしょうか。2人あわせてSGタイトルを7つも制している「7冠コンビ」が、江戸川の荒波を乗りこなしてドリーム戦から波乱を呼ぶ。
そんな予測が立つと言えそうですが、ここはあえて6号艇の新田雄史選手に注目してみます。名選手の宝庫である三重支部にあって、新田選手もまた3つものSG競走を制する活躍を重ねてきました。「笹川賞2013(福岡競艇SG)」「ボートレースグランプリシリーズ2017(住之江競艇SG)」「ボートレースグランプリシリーズ2021(住之江競艇SG)」という並びです。
おやおや、そろそろドカンと”爆発”年がきても良さそうですね!
そんな新田雄史選手はピックアップレーサーのひとりとして、後段にて詳しく解説します。
「江戸川634杯2024」ドリーム戦②/2日目江戸川12R
艇番 | 選手名 | 所属 |
---|---|---|
1 | 坪井 康晴 | 静岡 |
2 | 齊藤 仁 | 東京 |
3 | 岡崎 恭裕 | 福岡 |
4 | 須藤 博倫 | 埼玉 |
5 | 杉山 正樹 | 愛知 |
6 | 永井 彪也 | 東京 |
2日目(2024/01/16)のドリーム戦はこの6艇。2号艇と6号艇に地元東京支部のレーサーが入りました。齊藤仁選手と永井彪也選手。齊藤選手は全24場で江戸川が最多優勝の実績持ちであり、永井選手もまた静水面の多摩川と荒波の江戸川をともにこなす巧者です。
これだけ並べるならば、やはり齊藤選手を特に紹介する候補としてチョイスすべきかとも思いましたが、あえて永井選手の一撃に期待し、ピックアップ対象として選びました。
ただ、それ以上に怖いのが3号艇です。福岡の岡崎恭裕選手。岡崎選手はこれまでに全24場のうち22場で優勝を果たしており、江戸川もその中に入っているのですが、数字として見れば苦戦傾向なのは否めません。
にもかかわらず、ここへやってきた。
G2タイトルとはいえあっせんを受けた”意志”、ひいては岡崎選手の”意気”を「最も恐るべき634な存在」として感じ、注目選手に取り上げる次第です。ドリーム戦の3号艇・4号艇・6号艇から選びたいということで、4号艇の須藤博倫選手とも迷いましたが……。
シリーズ注目選手①/岡崎恭裕(4296/福岡)
「笹川賞2010(浜名湖競艇SG)」で若くしてSGを勝利。デビュー6年目、同年の「総理大臣杯2010(平和島競艇SG)」の初優出2着に続き、一気に掴み取ったSGタイトルでした。それもG1タイトルよりも先に勝ち取った栄冠です。
そこから厳しい戦いが続きましたが、2017年の「ダイヤモンドカップ2017(江戸川競艇G1)」を制してからは、「全日本王者決定戦2018(唐津競艇G1)」「大渦大賞2020(鳴門競艇G1)」とG1優勝を重ね、さらには地元開催のG1である「福岡ダイヤモンドカップ2022(福岡競艇G1)」も制覇。これは5号艇5コースからの”まくり差し”という逆転優勝でした。
思えば、2010年の笹川賞も6号艇5コースから猛追しての”抜き”での優勝だったわけで、多士済々の福岡支部を代表する「決める時はガツンと決める代名詞」的なレーサーとも言えそうです。
昨年末の「ボートレースグランプリシリーズ2023(住之江競艇SG)」でも、優勝戦まで勝ち残りました。今年こそはグランプリ本戦へという誓いのもと、G2獲りから始まる2024年にすることができるでしょうか。
シリーズ注目選手②/新田雄史(4344/三重)
三重の新田雄史選手が「個性派」である事実については、昨年(2023年)の「海の王者決定戦2023(大村競艇G1)」の記事でも軽く触れました。同競走では残念ながら準優勝戦3着で優出こそなりませんでしたが、周年競走でも上位へ入って当然という力を見せてくれました。
さらに、年末地元開催の「第15回鳥羽一郎杯争奪戦(津競艇一般)」ではオール2連対で優勝、お隣愛知の「ミニボートピア栄開設8周年記念競走(常滑競艇一般)」でもオール3連対からの優出2着準優勝だったわけですが……。
年またぎ地元開催の「伊勢新聞社新春レース(津競艇一般)」は3着4着4着とイマイチな調子もあってか途中帰郷。今節に向けての判断でケロリとしているなら良いのですが、心身のコンディションに影響がないかが不安です。
とはいえ、前節は「現行の津53号機が致命的にあわない」状況だったために、欠場したと考えるほうが自然でしょうか。であれば、今回は良好なコンディションのままで、江戸川へやってくるでしょう。江戸川での優勝歴こそないものの、12節走って6回優出とアベレージは高いので、穴目提供の期待も掛かりますよ。
シリーズ注目選手③/永井彪也(4688/東京)
ドリーム戦選出とはいえ6号艇。かなりきつい状況とはいえ、そこは「東京支部の伸び盛り」という側面から、番狂わせを演じるには最適な存在である。このように表現できるのが、東京の永井彪也選手です。
第6回開催だった「ヤングダービー2019(三国競艇PG1)」を制しており、”若手ナンバーワン”は容姿だけでなく実力でも獲れることを証明しました。さらに、2021年には丸亀周年である「京極賞2021(丸亀競艇G1)」も制覇。周年競走の初優勝となっています。
このため、上記の記事でも「近年の優勝選手」として名前だけ紹介しました。ただ、それが1回きりの活躍で終わるはずがない、とも申し上げたいところです。
もちろん、東京支部勢は他支部以上に「苦しい状況」と言われているのも事実です。濱野谷憲吾選手が「東都のエース」と呼ばれて久しく、その偉大な存在を超えられそうで超えられない。九州の各支部には活きのいい若手が出てきて、大阪や滋賀や愛知にも新星が育っているのに、東京には出てこない。
そんな比較と非難があるなかでも、永井選手はきっちり実力を上げ、実績を積み重ねています。2022年もV3、2023年もV2を挙げているのがその証左といえるでしょう。
ならば、2024年は3つ目のグレードタイトルがほしいところです。正確にはG2以上のグレードレースでの優勝、と呼ぶべきでしょう。G3競走であれば、「アサヒビールカップ2017(江戸川競艇G3)」と「イースタンヤング2021(戸田競艇G3)」を制しているので。
とかく関東圏での強さは折り紙付き。多摩川と江戸川は、永井選手の優勝歴のほとんどを占めています。今回の「モーターボート大賞/江戸川634杯2024(江戸川競艇G2)」で、その輝きにさらなる彩りを添えることも可能でしょう。
「モーターボート大賞/江戸川634杯2024(江戸川競艇G2)」まとめ
実際のところ、江戸川はコースそのものが相当に特殊です。ゆえにこそ、「スタートでほとんど決まるボートレース」という”世間でも知られているセオリー”が、とんでもないレベルで通用しません。
前回の「江戸川634杯」もまた、優勝戦では道中での逆転劇が起きました。スタート後の1周目1マークを計算に入れれば、”再逆転劇”であったかもしれません。
さらに、強い風とすさまじい波高は、江戸川では日常茶飯事です。今回の開催も順延などなく6日間で終わるかどうかは不透明。強い北風が吹きやすいこの時期は、台風シーズンと並んで江戸川開催が順延になりやすいからです。
そんなエキサイティングさこそ、江戸川の醍醐味とさえ言えるでしょう。あえて「ボートレースの魅力がわからない」という方にこそ、”ここから触れてほしい”といえるシリーズが、今回の「モーターボート大賞/江戸川634杯2024(江戸川競艇G2)」なのです。
ボートレース江戸川のアクセス
「ボートレース江戸川(江戸川競艇場)」とは言うけれど、実は江戸川ではなく”中川”にある。そんな「ボートレースあるある」のひとつを持つボートレース江戸川は、「日本最東端のボートレース場」でもあります。ただ、その強烈な響きに臆する必要はありません。なぜなら、日本有数の「訪れやすいボートレース場」だからです。
当サイトの特集記事が示すとおりに「江戸川水面は難コース」でもありますが、ゆえにこそボートレースの本来の楽しさだけでなく、”違う楽しさ”も味わえる良い水面です。訪れやすいロケーションであることも踏まえて、一度足を運んでみるのも良いかもしれません。
住所 | 東京都江戸川区東小松川3丁目1-1 |
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電話番号 | 03-3656-0641 |
最寄り駅 | 都営新宿線「船堀駅」 ※無料送迎バス(南口) JR総武線「平井駅」 ※無料送迎バス(北口)or有料都営バス |
最寄りIC | 首都高速中央環状線「船堀橋出入口」 首都高速7号小松川線「小松川出入口」 ※約5分 |
無料駐車場 | 無 |
公式サイト | ボートレース江戸川 |