今年も常滑周年、「トコタンキング決定戦2023(常滑競艇G1)」が始まります。ボートレース常滑の記念すべき競走ともなれば、地元の大黒柱たる池田浩二選手の参戦が望まれますが、なんと無念のフライング休み。それでも、”超豪華”と言えるメンバーが集まりました。
この常滑の水面は、実力者が安定感を発揮するための要素が整っています。それは舟券を当てたいファンとしても、ひとつでも役立つ情報を積み重ねて「乾坤一擲」が狙えるということ。ぜひともこの記事のあらゆるお役立ち要素を吸収し、暑い夏を越えて黄金の秋を迎えてください。
- トコタンキング決定戦はあまりにも1号艇が強すぎる?歴史をいつも以上にさかのぼります
- 愛知支部は多士済々!今年のトコタンキング決定戦で優勝候補と呼べるスター選手を紹介
- 常滑水面は東日本でも有数のイン有利コース!一方で最近違う傾向がある点も教えます
目次
トコタンキング決定戦2023(常滑競艇G1)の詳細情報
開催年 | 優勝選手 | 所属支部 |
2019年(2月) | 池田 浩二 | 愛知 |
2019年(4月) | 池田 浩二 | 愛知 |
2020年 | 齊藤 仁 | 東京 |
2022年(3月) | 土屋 智則 | 群馬 |
2022年(6月) | 山口 剛 | 広島 |
この記事内でも紹介するのですが、今ここでも申し上げておきましょう。常滑は、インが強いです。それは周年競走である「トコタンキング決定戦」、さらには2014年以前の名称である「マーメイドグランプリ(1996年から)」から変わりありません。
まずもって、近年は地元の池田浩二選手の同年連覇が目立ちますが、それ以上に結果を俯瞰してみると、もっとえらいことになっています。1号艇のイン逃げ、1号艇のイン逃げ、これがずらりと並ぶ優勝戦の一覧表。
では、この法則が崩れたのはいつかというと、マーメイドグランプリ時代までさかのぼった2012年。この年も2回開催があったのですが、そのうち2回目開催だった11月の59周年記念で、「1号艇2コースの原田幸哉選手がまくりで優勝」というものでした。はい、4号艇の仲口博崇選手が1コースまで果敢に前付けしたため、このような現象が起きたわけです。
そして、同年の2月開催にて、4号艇4コースの平石和男選手が差しにて逆転優勝。1号艇1コースの三井所尊春選手が痛恨のコンマ27スタートで立ち遅れ、波乱の結末となったものでした。ここまでさかのぼらないと、優勝戦で1号艇が崩れない……それはシリーズ全体の傾向を示しているかのようです。
狂艇ギャンブラー真里谷のシリーズ展開予想
「いや、地元の大スターがなんでトークショーしとんの?」
「フライング休み食らってたわ」
このシリーズのイベント情報とパンフレットで確認したとき、見事にこの思考をたどりました。池田浩二選手といえば、まさしくこの常滑市出身の英雄たる存在です。地元周年を盛り上げるにあたって、イベントステージではなく競走水面にいなければなりません。
しかしながら、6月に行われた「オールジャパン竹島特別(蒲郡競艇G1)」の4日目に、やってもうたのフライング。よりによって、同じく地元愛知のボートレース蒲郡の周年でやらかし、”超地元”の常滑周年は見届人の立場となりました。もっとも、即座にトークショーのお仕事を依頼するあたり、主催者側も”よくわかっている”感があります。
- 8月中旬時点での賞金ランキング第2位!磯部誠が名実ともに今年の主役だ
- 愛知の誇りにして常滑の誉れ!平本真之もまた地元勢の期待を背負う存在
- 今年も変わらずやばい強さ!馬場貴也なくしてビッグレースは語れない
SGの優勝戦かと見紛うばかりのゴージャス極まりない顔ぶれ!
今さらその来歴を説明するまでもないほどの実力者3名は、今開催で存分に力を奮ってくれることでしょう。地元愛知支部2名、遠征滋賀支部1名。これも後ほど解説する常滑水面の特徴を考えれば、妥当な比率でのご紹介になりそうです。
シリーズ展開予想①/8月中旬時点での賞金ランキング第2位!磯部誠が名実ともに今年の主役だ
地元愛知の磯部誠選手が、6月の「グランドチャンピオン2023(徳山競艇SG)」で”平成生まれとして初のSG競走優勝”を飾ったことは、言わずとも歴史に残る偉大なものですし、それでも言いたくなるワクワクを秘めています。
1990年(平成2年)9月8日生まれの32歳。このトコタンキング決定戦が終わってすぐに、33歳を迎える磯部選手。初日の第12R、1stドリームで1号艇を任され、「今節最強の男」という評価は客観的なものであることが証明されています。
8月中旬時点での賞金ランキングもハイアベレージの第2位。すでに80,276,000円を稼ぎ、「ボートレースグランプリ2023(住之江競艇SG)」本戦出場だけでなく、トライアル2ndからシード参戦、好率モーターの優遇もあるトップ6をしっかり勝ち取りたい状況です。
ただ、「すごく」がつくレベルで心配な事実があります。磯部選手は7月に「全国ボートレース甲子園2023(尼崎競艇G2)」で途中帰郷。私傷病、右ひざ痛で大事を取ってのものでした。
その後、「オーシャンカップ2023(児島競艇SG)」では不安を一蹴して優出。福岡の羽野直也選手と平成生まれ同士の激戦を演じ、2着準優勝となりました。2節前の「BTS長洲開設14周年記念 ながす金魚杯(大村競艇一般)」ではオール3連対、優勝戦では3着。
とても順調ですが、前節は「日刊スポーツ杯争奪 納涼しぶきお盆特別選抜戦(蒲郡競艇一般)」にて、まさかの3日目途中帰郷。ここでも私傷病と発表されており、なおも痛みが継続していることが懸念されます。
もちろん、地元周年という一大イベントが待っているわけですから、ここへ向けての決断だったと考えられるでしょう。それにしても、本当に万全の状態で出てきてくれるかどうか。ボートレーサーもまた相当に体を酷使する職業であることを、重ねて実感します。そんな痛みを持ったまま、モンキーターンという負荷の大きい曲芸をしなければならないわけですから……。
シリーズ展開予想②/愛知の誇りにして常滑の誉れ!平本真之もまた地元勢の期待を背負う存在
続いてこちらも地元愛知支部、常滑水面は全国最多の81節参戦、43回優出、12回の優勝。8年前には「トコタンキング決定戦2015(常滑競艇G1)」を制している相性の良さ。地元周年のV2を目指すのが、平本真之選手です。
今年は、8月下旬現在まででV4。その中には「結核予防事業協賛 秩父宮妃記念杯2023(びわこ競艇G2)」を含むのみならず、4月の「名古屋グランパスカップ(常滑競艇一般)」と8月の「名鉄杯争奪2023納涼お盆レース(常滑競艇一般)」、2つの当地開催を制している強みがあります。
つまり、2つ目の優勝は前節でのこと。3節前の「第68回日刊スポーツ旗 平和島マスターズ(平和島競艇一般)」では、優勝戦1号艇で勝ち上がるものの、まさかの4着敗戦。2節前の「オーシャンカップ2023(児島競艇SG)」では予選落ち後に2勝を挙げたとはいえ、悔しい結果が続いていました。今回の開催につながる優勝は、心を軽やかにしてくれるでしょう。
何より、「今の常滑水面の攻め方を知っている」&「今回の開催でそれを掴んでいる」というのは、ライバルに打ち勝つ材料になり得ます。
G1競走は、「オールジャパン竹島特別2021(蒲郡競艇G1)」から優勝歴なし。その2021年も「6年ぶりのG1競走制覇」という苦しみを耐えた末の歓喜でしたが、また同じ年数を忍受する必要はまるでありません。平本選手が、開催を通じて存在感を発揮することが期待されます。
シリーズ展開予想③/今年も変わらずやばい強さ!馬場貴也なくしてビッグレースは語れない
ナンボなんでも強すぎる!
滋賀支部の馬場貴也選手は、今年も「滋賀旋風」を先頭で引っ張る役割を担っています。代名詞の勝負強さに満ちているし、容易に取りこぼさない安定感もある。確かに、3節前の「オーシャンカップ2023(児島競艇SG)」の優勝戦、1号艇ながら逆転敗戦となったのは、言葉にならないほど悔しかったでしょう。
ただ、その後の2節では悪い影響など微塵も感じさせませんでした。「滋賀県知事杯争奪 第28回びわこカップ(びわこ競艇一般)」、「第51回 しぶき賞(三国競艇一般)」、いずれも1度の3着があるオール3連対で、どちらも11走みっちり走って”ほぼオール2連対みたいなもん”という成績での優勝を勝ち取りました。
はい、両競走をどちらも優勝、一般戦シリーズを連勝です。確かに、馬場選手ならできるだろうという信頼感はありますが、一般戦とて優勝できずに水面を去るプロのボートレーサーが大勢いるわけです。そこへ来て、この盤石さ。ファンを魅了してやみません。
2018年の「チャレンジカップ2018(芦屋競艇SG)」でのSG初制覇に始まり、「ボートレースグランプリシリーズ2019(住之江競艇SG)」、「びわこ大賞2020(びわこ競艇G1)」、「近畿地区選手権2021(三国競艇G1)」と毎年グレードレースを連勝。
圧巻が昨年の2022年。「結核予防事業協賛 秩父宮妃記念杯2022(びわこ競艇G2)」に始まり、「競帝王決定戦2022(下関競艇G1)」、「戸田プリムローズ2022(戸田競艇G1)」、「ボートレースダービー2022(常滑競艇SG)」と勝ちまくりの昇り龍。
今年も2月には「近畿地区選手権2023(住之江競艇G1)」で優勝。悔しい記憶を積もらせつつも、倍返しどころではない”勝利の歴史”を積み重ねています。
何より、少し前でも触れたとおり、2022年のボートレースダービーは実にこの常滑水面での開催でした。これほどに良い思い出がある場所で戦うからには、「昨年に続いて大仕事もう一丁」という展開も十分に考えられそうです。
ボートレース常滑の水面特徴
ボートレースでがっつり稼ぐ人にとって、常滑は人気の水面であるという風説があります。水面の特性を考えると、それは十分に正しい要素を備えているでしょう。これから示すとおり、常滑は確かな情報とともに勝負に打って出やすいからです。
- 常滑水面には水門があるから潮汐の心配ゼロ!基本はインが強い信頼のトコタンコースだ
- 今年の常滑の1コースがちょっと弱め?イン強め水面に黄信号のデータ
以下に当サイトが公開している記事のテーマのひとつでもあるように、ボートレース常滑では「風」が大きなポイントとなります。知多半島に位置し、風の影響が働きやすい競走水面であるがゆえの宿命と言えるでしょう。
それでは、どのような観点で常滑の水面を把握するか。どういった水面特徴、どういった水面特性があるか、それらは本当にレースに影響するのか。舟券回収率の向上にあたって欠かせない重要な点について、実際の数字とあわせて解説していきます。
特徴①/常滑水面には水門があるから潮汐の心配ゼロ!基本はインが強い信頼のトコタンコースだ
常滑は、インが強い水面です。こう言い切ってしまっていいでしょう。関ヶ原以東を基準とした東日本において、最もインが強い水面の候補たりえる。そう言ってしまっていいくらいです。
しかし、この傾向が最近崩れつつある点も、あわせてお伝えしなければならないでしょう。具体的な数字は次の項目で解説しますが、1コースの1着率が目に見えて下がっているのです。それも、とりわけ1コースが勝ちやすい暑い季節になっても、大きく改善する様子が見られていません。
もともと常滑の水面で、夏や秋にインが強い理由は、「暑すぎてモーターの回転が落ち、一方で風が他の季節に比べて吹かないため、そろったスリットラインになりやすい」というものです。ボートレースの最も波乱を呼ぶパターンは「壁が存在しない凹みパターン」ですので、6艇がずらり横一線の状態となると、「モーターの出力低下はインにとって不利というセオリーを覆す”イン有利”」につながるわけです。
常滑の水面は海、水質は当然に海水です。その一方、水門が設置されていて、開催期間中は外海との接続が遮断されます。厳密に言えば、まったく影響がないわけではないのですが、ほとんど無いと考えていいでしょう。
これらの要素が常滑のイン安泰を守る一方で、「モーターの出力を読みきれないと、完全にドツボにハマるスタートになりかねない」リスクは考慮しなければいけません。常滑はスタートが決まらない選手にとっては、とことん決まらない場所とも言えるのです。
特徴②/今年の常滑の1コースがちょっと弱め?イン強め水面に黄信号のデータ
特徴の1つ目で不穏な気配に触れましたが、2023年の常滑水面は、かつてほどに1コースの1着率が上がってきません。それでも、全国平均を上回ってはいますし、東日本では安心してインから買える水面ではあります。
ただ、2023年5月始めから7月末までの1コース1着率が”55.4%”。昨年3月から5月の1コース1着率が”57.3%”、同じく昨年6月から8月の1コース1着率が”59.2%”であることを考えると、無視できない変化です。
何なら、最もインが弱い傾向にある、冬季の実績よりも下回っています。「2着3着の相手としては2コースが優秀」、「3コースも悪くないが、4コースと5コースの3着率がかなり高めで、6コースも侮れない」という部分は注目したい数字であり、”あの人気選手が3連対を外してしもた”というレースの舟券を獲るきっかけになるかもしれません。
トコタンキング決定戦2023(常滑競艇G1)のまとめ
スター選手が勢ぞろい。今年もまた豪華なメンバーによって行われる、トコタンキング決定戦。落とせない戦いを、きっちり獲りきったものが勝つ。「基本に忠実」の意味を、私たちは改めて知るでしょう。
最近の数字がやや不穏な気配ながら、周年競走の開催は1コースの1着率を積み増す傾向にあります。よって、この開催では「いかにして不安なイン艇を判断するか」が最大の眼目となるのは間違いなし。当地との相性、モーターの引き、整備の状態、あらゆる面から判断し、勝負どころを見極めていくことで、心おきなく楽しめる開催となるはずです。
ボートレース常滑のアクセス
住所 | 愛知県常滑市新開町4丁目111 |
電話番号 | 0569-35-5211 |
愛知県に2つあるボートレース場のうちのひとつ、ボートレース常滑。知多半島西岸部に加え、中部国際空港への連絡路に位置しているというロケーションが、大きな特質として働いています。
名称こそ「ボートレース常滑」であるものの、常滑市だけでなく半田市も施行者として参加しています。これは、競艇の黎明期に半田市にも「半田競艇場」が存在し、常滑競艇場と競合状態になってしまったこと。それのみならず、歴史に残る巨大台風である伊勢湾台風が1959年に襲来し、甚大な被害を受けたことで、1953年開設から6年にして閉鎖、翌年に正式に廃止になった経緯があります。
競艇は有望な財源になりうるものの、半田市と常滑市はあまりにも至近すぎました。常滑競艇場時代から現在のボートレース常滑にいたるまで、一部の開催の施行権をあわせもつことで、「互いに食い合わない選択」をしたといえるでしょう。
電車・無料送迎バスでのアクセス
ボートレース常滑の最寄り駅は、名古屋鉄道常滑線・空港線の「常滑駅」です。常滑線と空港線が切り替わる境界駅のため、アクセスしやすい駅であると言えるでしょう。
常滑駅から本場までは徒歩約8分の距離であるとともに、駅と本場を結ぶ無料送迎バスも運行されています。自身の体力、その日の天候など、さまざまな要素を鑑みて、いずれかの手段で向かうことが可能です。
自動車でのアクセス
ボートレース常滑の最寄りインターチェンジは、セントレアライン・知多横断道路の「常滑IC」です。セントレアライン・知多横断道路に入るには、知多半島道路にある「半田中央JCT」を経由をすることになります。
また、西知多産業道路を走行し、「原松町」交差点の信号を右折することでも、ボートレース常滑の本場へ到達することができるでしょう。
ボートレース常滑には約2,000台を収容可能な無料駐車場が備わっているため、多くの場合において、恩恵を受けることが可能です。