間違いなく名前どおりのハイレベルシリーズ、ボートレース唐津の周年競走「全日本王者決定戦2023(唐津競艇G1)」が開幕します。
今春ついにG1戦線に戻ってきた地元の星、峰竜太選手か。賞金ランキング上位の磯部誠選手や石野貴之選手が食い破るか。見どころに満ちた初秋を飾るビッグレースについて、舟券予想と回収率向上に役立つモーター情報などとあわせてお届けします。
- 全日本王者決定戦はまさしく「王者」の戦い!2018年からの6回の開催がすごい
- 今回の注目はやっぱり峰竜太!SG級のトップメンバーもやってくるぞ
- 唐津のモーターは2023年8月におろしたて!実力を引き出す機力持ちを教えます
目次
全日本王者決定戦2023(唐津競艇G1)の詳細情報
開催年 | 優勝選手 | 所属支部 |
2018年(1月) | 前本 泰和 | 広島 |
2018年(4月) | 岡崎 恭裕 | 福岡 |
2020年 | 丸野 一樹 | 滋賀 |
2021年 | 池田 浩二 | 愛知 |
2022年(3月) | 菊地 孝平 | 静岡 |
2022年(12月) | 山田 康二 | 佐賀 |
過去6回の全日本王者決定戦の優勝選手は、上記のとおりです。2018年も2回開催だったため、区切りよく収めてみましたが、いやはや見事なものです。「全日本王者決定戦」の名称がこれほど似合うのかと驚くほどに、各地の名選手が劇的な競走によって戴冠してきました。
この6回の開催のうち、1号艇1コースがイン逃げで優勝したのはわずかに1回のみ。直近の2022年12月、69周年記念における地元佐賀の山田康二選手だけです。
前本泰和選手は4号艇4コースからのまくり差し4万舟、岡崎恭裕選手は5号艇6コースからの恵まれ。なんと前回優勝者の前本選手を含む2人の勇み足でした。
丸野一樹選手も4号艇4コースでまくり差し、万舟決着。池田浩二選手は5号艇6コースまくり差し2万舟で、菊地孝平選手は4号艇4コースからコンマ02気合のスタートのカドまくり炸裂万舟。「唐津ってこんなに荒れる水面だっけ?」と問いかけたくなる波乱の優勝戦ばかりです。
前回の山田康二選手にしても、2着は5号艇2コース前付け、地元の大ベテラン深川真二選手に加え、3着に大外6号艇6コース磯部誠選手が食い込み、「簡単には終わらんぞ」という結末です。その磯部選手の2023年における劇的な活躍は、もはや誰もが知るところでしょう。今年も見逃せない戦いの連続になりそうです。
狂艇ギャンブラー真里谷のシリーズ展開予想
映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの副題のひとつ、「王の帰還」を使いたくなる。今回の「全日本王者決定戦」は、そういったシリーズになりそうです。開設70周年記念競走となる2023年開催に佐賀支部、ひいては令和のボートレースにおける絶対的な存在、峰竜太選手が帰ってきました。
- 勝利によって報恩を!峰竜太が地元唐津で狙うは優勝のみ
- 2023年9月中旬現在賞金ランキング第2位!磯部誠の成長がすさまじい
- 同ランキング第3位!石野貴之が最強大阪支部の誇りを守る
これがSG競走でないのが不思議なくらいの、超濃厚G1競走になるでしょう。見るには楽しく、予想するには難しいとも言えそうです。そのなかでも特に注目の、スーパースター3名。彼らについて、現況を軸に分析していきます。
シリーズ展開予想①/勝利によって報恩を!峰竜太が地元唐津で狙うは優勝のみ
佐賀の峰竜太選手。今年2023年4月から、ようやくG1競走への出走が可能になりました。さらに、10月の「ボートレースダービー2023(蒲郡競艇SG)」からはSGにも出場が再開。貫禄の選考勝率トップでの選出であり、文句のつけようのない復帰戦となりそうです。
その前に迎えるのが、「地元ファンへの謝罪と報恩を懸けた1戦」たる今回の全日本王者決定戦です。もちろん、格でも賞金でもSGのほうが高いわけですが、やはりホーム水面での周年競走となると、特別さが加わってくるでしょう。
わざわざ掘り起こすだけでも目まいがするくらいの高水準。そう形容するしかない峰竜太選手の唐津での成績は、86節参戦、52回優出、24回優勝。見習い時代が本当にあったのかと問いたくなる、とてつもない成績です。勝率も7.88を記録していて、3連対率に至っては80.4%の高みへ。一般戦に多く出た今年は、唐津で3度の優勝を重ねているのもポイントです。
今年のグレードレースの優勝は、G1競走へ復帰してすぐの4月に「ツッキー王座決定戦2023(津競艇G1)」、7月の「MB大賞 天下無双!群雄割拠浜名湖の陣(浜名湖競艇G2)」、9月の「高松宮記念2023(住之江競艇G1)」となっています。
近走も3節前の「さがけいば杯(びわこ競艇一般)」をオール2連対で優勝し、2節前の高松宮記念も上記のとおり優勝、前節の「赤城雷神杯2023(桐生競艇G1)」も5日目の1走目に転覆がありながら優勝戦3着です。何も言うことはありません。あとはスタート事故に気をつけて、6日間のベストを願うのみです。
シリーズ展開予想②/2023年9月中旬現在賞金ランキング第2位!磯部誠の成長がすさまじい
「平成生まれで初めてのSG競走制覇」
この称号は、いつまでも輝きが色褪せることはないでしょう。どうしても、何度もこの実績でもって語ってしまいます。それほどに、愛知の磯部誠選手が成し遂げたことは偉大なのです。
あまりしつこく触れるのも何かなと考え……。前節の「北陸艇王決戦2023(三国競艇G1)」について、当サイトで特集した記事では、あえて取り上げませんでした。
失敗でした。磯部誠選手は、見事に北国の艇王の称号を勝ち取る、優勝という結果でもって応えたのですから。
唐津の実績は、9節参戦して優出2回。優勝実績はありません。その点での不安はあれど、明らかに「まだまだこれから」と言える伸び盛りです。見出しでも触れたとおり、2023年9月中旬現在での賞金ランキングは第2位。今年の獲得賞金は、間もなく1億円を突破します。
北陸艇王決戦に続き、G1タイトル連続制覇。そのルートだって、十分にありえるでしょう。何しろ、昨年2022年も「東海地区選手権2022(常滑競艇G1)」と「京極賞2022(丸亀競艇G1)」、2つのG1を勝ったのですから。開催を通じて注目すべきトップレーサーです。
シリーズ展開予想③/同ランキング第3位!石野貴之が最強大阪支部の誇りを守る
積み重ねたSGの制覇実績はなんと10回。夏から秋にかけての実績がとりわけ優れているのが、大阪の石野貴之選手です。いやはや、一時期の絶不調などなんのその、完全復活してすばらしい競走を続け、2023年9月現在での賞金ランキングは第3位につけました。
トップ6での「ボートレースグランプリ2023(住之江競艇SG)」本戦出場、すなわちトライアル2ndからのシード権獲得が十分に見えてきています。聖地たる地元住之江でのグランプリは、2019年に賞金王に輝いた時と同じ条件です。必ずや有利な立場で、冬の大一番を迎えたいでしょう。
唐津にはこれまで16節参戦し、優出6回と優勝2回を計上してきました。このうち2回目が「全日本王者決定戦2016(唐津競艇G1)」です。唐津周年V2の権利がある、それだけで十分な買い材料ですね。
ここ3節は「ボートレースメモリアル2023(福岡競艇SG)」で予選落ち、「高松宮記念2023(住之江競艇G1)」で予選4位タイ通過および準優勝戦敗退、「赤城雷神杯2023(桐生競艇G1)」で予選落ち。
7月に右肩ねんざの負傷で「全国ボートレース甲子園2023(尼崎競艇G2)」を途中帰郷して以来、少々精彩を欠いている印象があるのは気がかりです。とはいえ、高松宮記念では良いパフォーマンスを見せているので、コンディションが悪いなりに勝負どころを見極めているのかもしれません。
このため、全日本王者決定戦では「どちらの目が出るかを図りにくい」という弱点はあります。もし好モーターを引いたり、コンディションが回復していたりしたら、十分に優勝候補と太鼓判を押せる存在なのは間違いありません。その点を噛み含めて、見極めていく必要があるでしょう。
【2024年7月まで使える】ボートレース唐津の注目モーター
今年は唐津でのビッグレースが続きます。7月にも「唐津モーターボート大賞2023(唐津競艇G2)」が開催され、大いに盛り上がりました。
同シリーズの特集記事で解説したとおり、現在の唐津水面はかなり難解さが増しています。事実、準優勝戦では予選2位の白井英治選手が大外6号艇6コースの西野雄貴選手のまくりに屈し、26万舟という異次元の高配当決着になりました。
- 早くも優勝奪取!唐津24号機は快速自慢の逸品だ
- 勝率3点台でも勝てる!唐津28号機は魔力さえ感じる出来
今回も波乱は生まれるか。現在の唐津水面に関する詳細は、上記の唐津モーターボート大賞の記事、ならびに以下に紹介する唐津競艇場全体の特集記事をご覧ください。
そのうえで、今回は勝負の分かれ目となる狙いモーターを分析します。ボートレース唐津は2023年8月にモーター入れ替えを実施しましたが、それでも現時点で「すばらしい出力を見せているエンジン」があるので、知っていると今後1年の唐津戦略に大きく寄与するでしょう。
注目モーター①/早くも優勝奪取!唐津24号機は快速自慢の逸品だ
唐津水面で使われている現行のモーターは、2023年8月24日から使用が始まりました。その最初の開催、「日刊スポーツ杯(唐津競艇一般)」でいきなり優勝という結果を出したのが”24号機”です。
同開催で使ったのは、岡山のA2級である白神優選手。同開催のあとも連続で優出を遂げており、個人の調子が良いのは間違いありませんが、それでも白神選手をオール3連対での優勝に導いたその機力は評価すべきでしょう。
優勝戦も展示タイムは最速。ホーム向かい風4mかつ波高4cmと逆転のあり得るコンディションでしたが、力強いトップスタートからのイン逃げ圧勝を決めました。
開催2節目となった「西部発刊25周年記念 スポーツ報知杯争奪戦(唐津競艇一般)」では、福岡の中村真選手が使用。現在B1級で全国勝率4点台の中村選手ながら、予選突破まで果たしています。
いずれも選手の頑張りがあったうえで、それを支える力がある。24号機については、そのように評価できるでしょう。名選手ぞろいの今節、全日本王者決定戦でも楽しみです。
注目モーター②/勝率3点台でも勝てる!唐津28号機は魔力さえ感じる出来
現況の気配、トップクラス。それが唐津の”28号機”です。「日刊スポーツ杯(唐津競艇一般)」では里岡右貴選手が使用し、優出を達成。優勝戦でも3着に入りました。
ただ、里岡選手はバリバリのA1級レーサーです。真価を問われる2開催目の「西部発刊25周年記念 スポーツ報知杯争奪戦(唐津競艇一般)」。ここでは徳島の28歳、B1級の粟田祥選手が当選しました。
粟田選手の全国勝率は3点台、それも2点台が間近というところで、かなり厳しい状況です。しかも、F1まで抱えており、しっかり好成績を積まないと「プロが続けられない」ケースさえありえるでしょう。
結果的には、予選通過は叶いませんでした。しかし、開催が進むごとに調子を上げ、節間3勝かつ10走して8回の3連対という成績を残しています。4期通算勝率3.8未満が引退勧告ラインであることを考えれば、これを下回る現状で3勝を含む好成績は非常に大きいでしょう。
かくも調子がピカイチの28号機です。全日本王者決定戦でも、「台風の目」を作り出す可能性を秘めている。そう申し上げられるでしょう。ぜひとも、「28号機のゆくえ」に注目です。
全日本王者決定戦2023(唐津競艇G1)のまとめ
同じ九州の各場には「全日本王座決定戦(芦屋)」や「全日本覇者決定戦(若松)」といった周年競走がありますが、唐津の「全日本王者決定戦」もまた負けず劣らずの極上のシリーズです。
峰竜太選手の帰還。賞金ランキング上位選手の遠征。あらゆる見どころが詰まった開設70周年記念競走は、ファンの人生さえも記念する思い出の開催になるかもしれません。ぜひとも、6日間の”伝説”を見守っていきましょう。
ボートレース唐津のアクセス
住所 | 佐賀県唐津市原1116 |
電話番号 | 0955-77-1311 |
精強な九州地区の一角をなす、佐賀支部のホーム水面であるボートレース唐津。当初より好調な売上でもって、地域経済の活性化に寄与してきました。
もともとは松浦川の河口付近にありましたが、1975年1月により公正かつ安全な競走ができる場所を求め、現在地へ移転した経緯があります。結果、ボートレースに向いた水面を手に入れることになりました。
電車・無料送迎バスでのアクセス
ボートレース唐津の最寄り駅は、JR筑肥線「東唐津駅」です。筑肥線は福岡市営地下鉄との相互乗り入れが行われているため、同地下鉄の空港線からの直通、あるいは姪浜駅や筑前前原駅等での乗り換えを行うことで、福岡都市圏からのアクセスも容易なメリットがあります。
ただし、東唐津駅からボートレース唐津本場までは、徒歩で20分ほどの距離がある点に留意しましょう。同駅と本場を結ぶ無料送迎バスが運行しているため、こちらの利用が推奨されます。
自動車でのアクセス
ボートレース唐津の最寄りインターチェンジは、西九州自動車道「唐津IC」です。下りてから約3分の好立地ですので、車のアクセスに向いているロケーションと言えるでしょう。
また、長崎自動車道「多久IC(ETC専用)」から厳木多久有料道路・国道203号線経由でもアクセス可能です。
ボートレース唐津には、約1,300台の乗用車を収容可能な無料駐車場が用意されているため、自動車で来場した折には積極的に利用しましょう。