“海の日”創立を記念してつくられたSG競走、オーシャンカップ。今年、2023年は岡山県のボートレース児島にて開催されます。
SG競走はそれぞれ固有の選出条件が定められていますが、オーシャンカップは「前年5月1日から当年4月30日までのあいだに、G1およびG2での優勝戦に進出し、順位点を稼いだ選手」となっています。
したがって、一般戦で無双しようと、ビッグレースの準優勝戦まで渋い活躍を続けていようと、優勝戦に一度も出ていない選手は出場資格を得られません。
爽快な夏の戦いには、優勝戦で華々しい活躍を見せる”アツい”選手がよく似合う。この記事では、そんなオーシャンカップのゆくえについて、舟券攻略に有用な情報とともにお届けしていきます。
- オーシャンカップの選出条件は”優勝戦の活躍”にあり!
- 近年のオーシャンカップの結果は?波乱の有無も含めて概括します
- 昨年優勝の椎名豊に挑め!大注目の優勝候補3名をピックアップ
- 児島水面は中国地方随一の”一筋縄ではいかない”特徴持ちなんです
オーシャンカップ2023(児島競艇SG)の詳細情報
開催年(開催地) | 優勝選手 | 所属支部 |
2018年(若松) | 毒島 誠 | 群馬 |
2019年(常滑) | 瓜生 正義 | 福岡 |
2020年(鳴門) | 峰 竜太 | 佐賀 |
2021年(芦屋) | 濱野谷 憲吾 | 東京 |
2022年(尼崎) | 椎名 豊 | 群馬 |
過去5回のオーシャンカップ優勝選手。思い出深いのは、やはり2021年、濱野谷憲吾選手の14年ぶりのSG制覇でしょうか。とはいえ、どの年もひとつひとつ珠玉のドラマがあったことを、忘れてはいけません。
2018年は優勝戦で波乱。1号艇の丸岡正典選手に対し、2号艇2コースの毒島誠選手が直まくりを敢行。これが見事に決まって、2-4-5は50番人気の16,480円という結末を迎えました。
また、2020年も峰竜太選手が節間1着1回のみだったにもかかわらず、優勝戦で勝負強さを発揮。4号艇4コースからコンマ08スタートを決め、鋭い差しでもって1号艇の瓜生正義選手の懐を捉え、逆転優勝を勝ち取っています。このときも万舟券にこそならなかったものの、4-3-1は27番人気で9,350円と波乱の結末でした。
ここ5年で2回、1コースに入った1号艇が敗れている。「ボートレースはインが強い」「優勝戦まで勝ち上がるような選手ならなおさら」という定説など吹き飛ばす、そんな歴史が刻まれてきたことを、あらためて感じさせてくれます。
狂艇ギャンブラー真里谷のシリーズ展開予想
海は、穏やかな顔ばかりではない。それを感じさせてくれるのがオーシャンカップなのだとしたら、今年はどのようなシリーズの展開を見せるのでしょうか?
2023年のオーシャンカップを優秀な成績で勝ち抜くことが期待される3名の選手について、それぞれ以下のようにピックアップしました。
- SG連覇の栄光へ!椎名豊が再び西国遠征でのビッグタイトルに挑む
- 岡山支部のエース!茅原悠紀が地元水面でファンを沸かせる
- 前節で途中帰郷が心配も?石野貴之の勝負強さは見逃せない
前年度の優勝選手。地元の願いを背負ったエース。SG通算V10の実力者。今回のオーシャンカップの主軸と呼ぶべき3名について、最近の実績や出来事などを軸に、各項目で分析していきます。
シリーズ展開予想①/SG連覇の栄光へ!椎名豊が再び西国遠征でのビッグタイトルに挑む
昨年、悲願の初SG制覇をオーシャンカップで成し遂げたのが、群馬の椎名豊選手でした。椎名選手の活躍は今年も健在。2月の「PALBOAT宮島開設8周年記念 第49回岩田杯(宮島競艇一般)」と5月の「第50回上毛新聞社杯(桐生競艇一般)」で優勝し、グレードレースでも好走による賞金を積み重ねています。
近走も安定しており、3節前の「第59回デイリースポーツ賞(多摩川競艇一般)」で優出。2節前の「グランドチャンピオン2023(徳山競艇SG)」では予選通過、準優勝戦敗退。
さらに、前節の「全国ボートレース甲子園2023(尼崎競艇G2)」では予選5位タイで通過。準優勝戦で3着となって優出は果たせなかったものの、最終日には2走して2着1着。オール3連対でG2競走を駆け抜け、トップレベルの安定感を証明してくれました。
心配があるとすれば、児島水面での経験が浅い点でしょうか。これまで出場したのはわずかに4節で、優出が1回のみ。当地での優勝経験はまだありません。
しかし、近年の成績がどのコースでも良化中の34歳、伸び盛りの一流選手です。データが乏しいことは、データが悪いこととは違う。それを証明する走りでもって、SGタイトルホルダーの存在感を発揮してくれるでしょう。
シリーズ展開予想②/岡山支部のエース!茅原悠紀が地元水面でファンを沸かせる
児島水面は、岡山支部の選手たちにとってのホーム水面です。そんな岡山支部が誇るスーパースターこそ、茅原悠紀選手。2014年、27歳のときに「ボートレースグランプリ2014(平和島競艇SG)」のグランプリ優勝戦に出場し、6号艇6コースからの大逆転賞金王に輝いたことは、一生語り継がれる”伝説”です。
それ以来、茅原選手は卓抜した走りで、岡山支部の主軸として戦ってきました。積み重ねたG1タイトルは、グランプリ以前に優勝した1つとあわせて9つ。今年も「中国地区選手権2023(児島競艇G1)」を制し、地元開催での地区選勝者の誉れを手にしています。
しかし、そんな茅原選手でさえ、あの瞬間以来のSGタイトルに恵まれていません。どんな名選手でも容易に手に入れられるものではない。それがSGという高みであることを、まざまざと知らしめてくれます。
それでも、今回は大チャンス。当然、地元児島ですから、出場節数は最多の84節にも上ります。優出は47回、優勝は16回。これがSGによって”17回”に更新されたならば、最高の喜びと形容できるでしょう。
2節前には「グランドチャンピオン2023(徳山競艇SG)」で見事に優出を達成。決して夢物語などではありません。SGでも実際に”最後の6人”になれることを示したのです。最大級の歓喜へ向けて、茅原選手の大一番が始まります。
シリーズ展開予想③/前節で途中帰郷が心配も?石野貴之の勝負強さは見逃せない
積み重ねたSGタイトルは通算で10個。最強大阪支部のなかでも至高の勝負強さを誇るのが、石野貴之選手です。2節前の「グランドチャンピオン2023(徳山競艇SG)」では、その恐ろしさをまざまざと示しました。優勝戦、あと一歩で先行する磯部誠選手を捉えそうな位置まで迫る猛追を見せたのです。
その勢いでもって迎えた、前節の「全国ボートレース甲子園2023(尼崎競艇G2)」。当然に優勝候補と目されたわけですが、3日目にまさかのアクシデントが起きます。なんと負傷のために、途中帰郷となることが発表されたのです。
診断内容は「右肩捻挫」。決して長引く怪我ではなさそうですが、”水上の格闘技”という表現まであるボートレースにとって、コンディションの低下はレースの質に直結します。
おそらく、今回のSG競走に向けて、早期に帰郷の決断をくだしたのでしょう。ただ、今年はここまで調子が良かっただけに、好調を維持したまま児島に乗り込んでこれるのかどうか?
そのクエスチョンがどちらに転ぶかによって、石野選手の走りは大きく変わってくるでしょう。
それでも、もし万全の状態で調整してきたならば、すべてが杞憂だったと誰もが悟るに違いありません。今年の「ボートレースオールスター2023(芦屋競艇SG)」に続き、1年に2つのSG獲りという強烈な実績が、石野選手を待っています。
ボートレース児島の水面特徴
温暖な気候で知られる瀬戸内海につくられた、ボートレース児島。全国でも有数の広い水面となっていますが、その決着傾向は決して”穏やかではない”ことを知らなければならないでしょう。
- 児島の水面は走りやすくて展開も多彩!海コースなので潮の満ち引きも鍵
- 最近の児島水面は基本的に1コース有利!ただし条件によっては波乱も連発
これらの水面特性は、今回のオーシャンカップにおいても有効であり、舟券予想に役立つ内容となるでしょう。むしろ、超一流がそろうSG競走だからこそ、わずかな特徴がもたらす差が勝敗を分ける。そうした場面も、多く見られるかもしれません。
特徴①/児島の水面は走りやすくて展開も多彩!海コースなので潮の満ち引きも鍵
穏やかな瀬戸内海につくられた、海コースである児島水面。当然、水質は「海水」となります。今回は夏季の開催であり、この季節は児島にとって1コースが強い時期に該当。”1コース1着率は58.0%前後”と、全国平均を大きく上回ります。
一方、児島は全国でも有数の広い設計、とりわけバック側が大きく開けているので、”逃げ”だけでなく”差し”も”まくり”も”まくり差し”も決めやすく、選手個人の特性を存分に引き出してくれると言えるでしょう。
グレードレースに限っていえば、「準優勝戦はセンター艇が強い傾向」ならびに「優勝戦は2コースが強い傾向」を保持しており、それぞれ優秀な回収率を計上しています。
シリーズ全体では3コースからの全速戦が決まりやすく、次にイン逃げが順当に運びやすいのが特筆すべき点。反面、”2コースからの差しが苦戦しやすい”のは、1コースの実力者が崩れにくいため、差しが入らずに流れやすい点に理由が求められそうです。
一方、優勝戦のみ2コースが強いのは、「ここ一番の勝負駆けだから」かもしれません。本来的には、差しも十分に決まりやすい児島水面。優勝戦の時間帯は潮汐の影響も大きいため、差しが決まりやすいコンディションを念頭に置いた「押さえ舟券」も考慮したほうが良さそうです。
特徴②/最近の児島水面は基本的に1コース有利!ただし条件によっては波乱も連発
“児島水面は基本的に1コース有利”であることは、先の項目で述べたとおりです。一方、”風”というボートレースで避けて通れない要素によって、この条件が変わる点も覚えておかなければなりません。
基本的に、児島はホーム向かい風が多い水面です。ホーム向かい風は外有利というのがボートレースの定説ですが、児島では少々複雑です。というのも、向かい風のほうが1コースの1着率が優秀なのです。
理由は、ホーム向かい風では2コースと3コースの好走率が減り、結果的に1コースが勝利を得やすくなるから。逆に言えば、ホーム追い風の時には2コースと3コースの1着率が5%近くも向上し、そのぶん1コースが勝ちにくくなります。
結果として、児島水面は宮島、徳山、下関といった他の中国地方のボートレース場に比べ、「1号艇(1コース)が安定していない」と言われますし、数字の面でもそれが窺えます。
また、向かい風にせよ追い風にせよ、”風が強いと展開利を得やすいのが3コースと4コースのセンター艇”。特に、”3コースは全般的に良回収率に貢献しやすい”データが出ているため、積極的に狙ってみたいところです。
オーシャンカップ2023(児島競艇SG)のまとめ
海は、時に優しく、時に恐ろしさをもって、人々と寄り添ってきました。そんな母なる海を想う日を経て行われる、6日間の瀬戸内決戦。今年もまた、鮮烈な記憶となる名勝負が繰り広げられることでしょう。
舟券勝負の準備はお済みですか?
いかなる場合でも、心と財布の余裕が、良い結果を生み出します。その点は、選手もファンも変わりません。雄大な海のような心で、目の前の結果に一喜一憂することなく、大局観をもってSG競走へ臨みましょう。
ボートレース児島のアクセス
住所 | 岡山県倉敷市児島元浜町6-3 |
電話番号 | 086-472-5050 |
ジーンズの街として知られる倉敷市児島に、ボートレース児島は立地しています。岡山支部のホーム水面であり、自然豊かなロケーションのため、旅打ちをするのに向いた施設と言えるでしょう。
電車・無料送迎バスでのアクセス
ボートレース児島への公共交通機関を用いたアクセスは、最寄り駅まで電車で移動し、それから無料バスで移動するのが最もメジャーな手段です。有料にはなりますが、タクシーを利用するのも手段のひとつになるでしょう。
ボートレース児島の最寄り駅は、JR本四備讃線の「児島駅」です。この地域の中心駅であり、無料バスも最も多くの数が運行しているので、こちらを利用するのが確実です。
また、無料バスは特別なルートとして、「倉敷駅発(天城経由)」「倉敷駅発(塩生経由)」「天満屋バスセンター発」「総社市役所前発」「金光駅前発(新倉敷駅経由)」がありますが、それぞれ1日1便が基本となるため、利用を希望する場合は事前の確認を推奨します。
自動車でのアクセス
ボートレース児島の最寄りインターチェンジは、瀬戸中央自動車道の「児島IC」です。
- 高知方面:高知自動車道→高松自動車道→瀬戸中央自動車道
- 山陰方面:米子自動車道→中国自動車道→岡山自動車道→山陽自動車道→瀬戸中央自動車道
- 大阪方面:中国自動車道→山陽自動車道→瀬戸中央自動車道
こういった経路が、公式からは推奨されています。ボートレース児島は自動車での来場をメインとして想定しているため、”無料駐車場が約2,500台”ぶん用意されているのも嬉しいところ。積極的に利用していきましょう。