2023年8月後半の女子戦、「オールレディース 第56回日刊スポーツ杯(桐生競艇G3)」が始まります。昨年、ボートレース桐生の水面は決して甘くないことを証明したこのシリーズ。女子選手の賞金ランキングを巡る争いも、いよいよ加熱していきます。
何しろ11月の「レディースチャレンジカップ2023(三国競艇G2)」、ひいては年末の大一番である「クイーンズクライマックス2023(多摩川競艇PG1)」まで、あっという間です。
たとえ”賞金女王決定戦”への最終便に乗るにしても、まずはレディースチャレンジカップへの挑戦権を勝ち取らなければならないのです。男女混合戦は当然のこと、性別限定戦であるオールレディースは、必ずや打ち負かさなければならないライバルの集う場です。負けられません。
そんな8月の女子戦線は、かなり見応えのある内容が続いています。きっと、今回の桐生オールレディースも、華やかな戦いとなるでしょう。昨年のこのシリーズの結果、今回のシリーズの見どころ、そして桐生水面がどのような特徴を持つかについて、当記事でしっかり味わっていってください。これらは開催が終わったあとにも役立ち、また楽しめる内容となっています。
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- 2023年の桐生オールレディースの優勝候補紹介!この3名からシリーズを見ていこう
- 桐生水面は怖さがいっぱい!その特徴を知って波乱の気配を見逃さない準備を
目次
オールレディース 第56回日刊スポーツ杯(桐生競艇G3)の詳細情報
昨年もこのボートレース桐生において、「オールレディース 第55回日刊スポーツ杯(桐生G3)」は開催されました。そして、その優勝戦はまさしく勝利への執念がありありと表れる形になったのです。
今年よりも1ヶ月遅い、2022年9月23日。まさしく区切りの良い祝日、秋分の日が最終日となりました。その巡り合わせはまた、最後まで戦い抜いた乙女たちにとっても、「明暗の分かれる1日」をもたらす結果に。
4号艇の中里優子選手と5号艇の守屋美穂選手の2艇が、優勝戦では2コースと3コースに進入。形としては前付けをですが、この2艇のピット離れが劇的に良かったことで、展示段階での「枠番どおりの進入」というシナリオは大きく変わりました。
何より、ピット離れで遅れる形となり、4コース進入となった2号艇の落合直子選手です。不利な状況にもかかわらず、「たとえピットで負けても問題ない」と初めから思っていたのかもしれない……そう思わせるほどの、抜群の感覚を持っていました。
落合選手が放ったのは、コンマ10のトップスタート。エースモーター36号機の性能をフルに活かした、最高の仕掛けと言えるでしょう。壁になりうる4号艇と5号艇はそれぞれコンマ22とコンマ30。1号艇1コースの松本晶恵選手もコンマ18と悪くなかったものの、さすがにこれでは抵抗できません。
結果、2-1-6にて決着。3連単は32番人気の8,710円決着です。舟券を買っていたファンとしては、「落合選手の2コース差しで逆転優勝」「6号艇の鈴木祐美子選手の展示タイムがすばらしいので3着に」という想定で買っていたでしょうから、思わぬ形でのリカバリー大成功です。
落合選手は「男女W優勝戦 名古屋グランパス鯱の大祭典CUP(蒲郡競艇一般)」に参加するため、今年の第56回開催には出場していません。真夏の決戦となった、今期の桐生オールレディース。長い歴史は、激闘の記録。その記録に、どのような1ページが書き加えられるのでしょうか。
狂艇ギャンブラー真里谷のシリーズ展開予想
今節、11月に向けて賞金を積み上げたい面々がそろっているのは、すでに述べたとおりです。よって、今回は当地での強さが光る選手、加えて最近ド派手なパフォーマンスを見せた選手について、注目選手としてピックアップしました。
- 偉大な女王に敬礼を!寺田千恵が久しぶりの美酒を求めて桐生へ到来
- 桐生には良い思い出ばかり!中村桃佳と桐生水面の相性はピカイチ
- 前節で脅威の6コースまくり差し!平田さやかが絶好調で関東へ帰還する
上記の3人です。A1級2人に、A2級1人。A1級3人で染めたほうがいいかという気持ちもほのかにあれど、いやいや、”勢い”というものは、どんな競技であっても軽視すべからざるものです。彼女たちがいかなる形で本シリーズを引っ張っていくか、確かめていきましょう。
シリーズ展開予想①/偉大な女王に敬礼を!寺田千恵が久しぶりの美酒を求めて桐生へ到来
たとえ時が流れても、SG競走の優勝において初めて1号艇を獲得した女子選手という誉れが、消え去るわけではありません。その結果が悔しい敗戦であったとしても、寺田千恵選手が名選手である事実は一寸たりとも揺るがないでしょう。
確かに、寺田選手は昨年11月の常滑オールレディース以来、優勝を勝ち取れていません。それでも、高いポテンシャルを見せ続けていることは、A1級に在籍している事実が証明してくれています。
寺田選手はまた、桐生水面との相性の良さが注目です。これまで24節参戦し、11回の優出、2回の優勝。しかも、2回目はおととし、2021年。まさしく2年前のこのシリーズである、「オールレディース 第54回日刊スポーツ杯(桐生競艇G3)」だったのです。
とても岡山支部の選手とは思えない、桐生水面との好相性。数多くの偉業を成し遂げてきた寺田千恵選手なればこそ、と言えるかもしれません。ぜひとも好相性水面で、シリーズを引っ張る活躍が期待されます。
シリーズ展開予想②/桐生には良い思い出ばかり!中村桃佳と桐生水面の相性はピカイチ
昨年2022年、香川の中村桃佳選手にとっては、すさまじい活躍の連続となった年でした。なんといっても、11月の「レディースチャレンジカップ2022(鳴門競艇G2)」に触れないわけにはいかないでしょう。優勝戦、5号艇6コースから怒涛のまくり差しで大逆転優勝は、あまりにも鮮烈でした。
「中村桃佳は、6コースでも怖い」
それを示すかのような一撃が、改めてファンを魅了しました。同年には「第21回府中市長杯(平和島競艇一般)」で、やはり優勝戦に6号艇5コースからのまくり差しで逆転優勝を遂げており、男女を含めた艇界屈指の勝負強さが光ります。
さらに、2018年、「第51回サンケイスポーツ杯 ヴィーナスシリーズ第4戦(桐生競艇一般)」で、桐生での初優勝をバッチリ勝ち取りました。良い思い出の残る水面で、久しぶりの優勝を勝ち取りたい。それは年末につながる確かな足がかりとなります。
ただ、心配な点としては、2節前の「レディースチャンピオン2023(津競艇PG1)」で落水し、前節の「RNC杯争奪 サマーチャンピオンレース(丸亀競艇一般)」では途中欠場になっていること。コンディション面での不安がどこまで残るか、見極める必要がありそうです。
シリーズ展開予想③/前節で脅威の6コースまくり差し!平田さやかが絶好調で関東へ帰還する
東京の平田さやか選手。A2級の選手ですが、前節の「オールレディース ビーナスちゃんカップ2023(びわこ競艇G3)」の優勝戦で、ファンの度肝を抜くレースをやってのけました。
上記のとおり、ビーナスちゃんカップについては特集も行ったのですが、いやはや、まさかまさかの平田選手の逆転優勝。しかも、優勝戦では6号艇6コース、特に前付けなどの動きがない状況から、コンマ11トップスタートからのまくり差し。5号艇の中里優子選手ともども、1号艇の遠藤エミ選手の懐に食らいつきます。
この前段階として、2号艇の海野ゆかり選手と3号艇の藤堂里香選手がスタートで遅れたため、4号艇の鈴木成美選手が果敢な攻めを見せた点に触れなければなりません。しかし、遠藤選手もさるもの。自分の失速を最小限にする形の抵抗を見せ、逃げ切りを図ります。
それでも、平田選手と中里選手が懐に食い入りました。3連単の6-1-5は85番人気、80,890円のドカ荒れ8万舟。何が恐ろしいかというと、この平田さやか選手、5月にも「西部記者クラブ杯争奪徳山オールレディース(徳山競艇G3)」の優勝戦で、6号艇6コースから見事に差しを入れて大逆転優勝を勝ち取り、3連単6-2-1、104番人気の172,490円という超荒れ舟券を提供していたのです。
そもそも、2019年に初優勝ののち、2022年に優勝1回、そして今年2023年に2つの優勝。いずれも1コースからのイン逃げは一度もなく、5号艇5コース差し、4号艇4コースまくり差し、6号艇6コース差し、6号艇6コースまくり差しと、度胸の塊のような逆転優勝を繰り返してきました。
もしかしたら、今回も……。「二度あることは三度ある」ということわざの意味を噛みしめる、そんなシリーズになるかもしれません。
ボートレース桐生の水面特徴
最近のボートレース桐生は、端的に言って「いつも以上にインが弱い」傾向を見せています。劇的な改装工事などを行ったわけでもないので、あくまでも数字のゆらぎでしょう。それでも、標高の高い桐生はもともとスタートを決めにくく、インが勝ちにくい傾向があっただけに、そうした一面が強く出ている点は考慮したいものです。
- 桐生の水面は標高が高くてインが弱め!ただ最近は予想以上にイン受難だ
- 外からの全速仕掛けが配当を上げる!夏の桐生は外からでも舟券になるぞ
この2点は、2023年夏の桐生水面の特徴として、しっかり押さえておきたいポイントです。あわせて当サイトが公開している記事をお読みいただければ、舟券回収率を上げるに足る、より多角的な考え方の助けとなるでしょう。
特徴①/桐生の水面は標高が高くてインが弱め!ただ最近は予想以上にイン受難だ
ボートレース桐生は標高が高いところにあり、したがってボートレース全体のセオリーとして、モーターの出力が弱まる傾向にあります。これはイン艇の盤石さを失わせる一方、どのコースからでも野心的な仕掛けによって、1コースの選手を脅かせることを意味します。
冬から春にかけては、世に謳われし「赤城おろし」がビュンビュン吹くため、選手たちはいよいよ不安定な戦いを強いられるところも特徴。
一方、今回のヴィーナスシリーズが行われる8月、すなわち夏は、桐生水面としては最も穏やかな季節です。コース上が無風になることもしばしばで、静水面と形容できるコンディションになりやすいと言えるでしょう。
ただし、それが端的にインの強みになるかというと、そうでもありません。標高などの地理的要件は変わらず、結果として、他艇はさらに大胆な手段に打って出ることが可能になるからです。
特徴②/外からの全速仕掛けが配当を上げる!夏の桐生は外からでも舟券になるぞ
それにしても、昨年(2022年)11月から今年(2023年)4月末までのデータには驚きです。この期間の桐生水面では、1コースの1着率は”50.3%”を記録しました。関東地区の各場はどこもインが勝ちにくい水面ですが、まだ全国平均に近かった桐生までもが、「荒れる関東の水面」の称号争奪戦に加わろうかとしているようです。
2コースの2着率”25.6%”、4コースの3着率”20.3%”が各着順の最高確率ですが、気をつけたいのは各コースの3着率。5コース3着率は”18.4%”と、2コースおよび3コースの3着率”19.0%”に迫る勢いですし、6コース3着率さえも”13.9%”とかなり高めです。
1着率も2コース、3コース、4コースが13.0%前後に固まって平たくなっており、「どんな展開でもある桐生水面」を体現した数字です。
桐生で舟券勝負するにあたっては、柔軟な思考で予想を組み立てるのがよろしいでしょう。
オールレディース 第56回日刊スポーツ杯(桐生競艇G3)のまとめ
どのレースが荒れるのか、それを見極めることができたら、もちろん誰も苦労はしません。しかし、限りなく波乱の匂いが色濃くなる時は存在します。
今回のように、野心に満ちた選手や数字を伸ばしつつある選手が集まり、インが決して強いとは言えない水面で戦う時です。
さあ、舞台は整いました。今年の桐生オールレディースは、どの選手にとって最高の瞬間となるでしょうか。未来を占い、毎日あれこれと考える楽しみが、私たちには与えられています。夏の夜の華麗な戦いは、きっとエキサイティングなものになるでしょう。
ボートレース桐生のアクセス
住所 | 群馬県みどり市笠懸町阿左美2887 |
電話番号 | 0277-76-2411 |
全国24場のなかで最も遅く生まれ、最も北で最も標高が高い場所にあり、最も先進的な取り組みを進めている。それがボートレース桐生です。
全国で初めてナイターでのボートレースを始めたのは、バブル崩壊の煽りを受けた経営難に対応する苦肉の策だったとはいえ、今や「ナイター開催の元祖」となりました。
1997年にナイター競走が始まった頃の名称は「アクアンナイト」でしたが、2011年に「ドラキリュウナイター」へと改称し、現在に至ります。
電車・無料送迎バスでのアクセス
ボートレース桐生の最寄り駅は、JR両毛線「岩宿駅」、および東武鉄道桐生線「阿左美駅」です。どちらの駅からも、本場までは徒歩で約15分です。
ただ、徒歩で15分というのは結構な距離です。無理をして体調を崩しては、元も子もありません。まして、世界的な温暖化によって、本シリーズ開催時点では酷暑、反対に冬には厳冬が訪れる傾向が強まっています。
ぜひとも、両駅と本場を結ぶ無料送迎バス(無料巡回バス)を利用しましょう。快適に本場まで向かうことができます。
自動車でのアクセス
ボートレース桐生の最寄りインターチェンジは、関越・北関東自動車道「太田藪塚IC」、および東北・北関東自動車道「太田桐生IC」です。
無料駐車場よりも有料駐車場の数のほうが多いので、事前に調査してからの利用が推奨されるでしょう。