競艇は潮の満ち引きや選手のコンディション、競艇場の水質やレイアウトなど、様々な要素がレースに影響を及ぼしています。中でも、レース当日の風や天候の影響は大きく、レースの結果を予想する際には必ず風向き、風速、天候をチェックする必要があります。今回は競艇のレース展開に風が与える影響について解説していくとともに、風に特徴がある競艇場についても紹介していきます!ぜひ予想に役立ててみてください!
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目次
競艇のレースに風が与える影響
競艇は様々な要素がレースの結果に影響を及ぼしますが、中でも「風」の影響は大きいとされています。風がどのようにレースの結果に影響を及ぼすのかを解説していきましょう。
追い風の場合はインが逃げ切りやすい
競艇では、風向きがレースの着順を左右すると言われています。競艇は基本的に競争距離の短いインコース勢が有利な競技とされていますが、スタート時の助走距離が短いためインコース勢はスピードが出にくく、アウトコース勢に追い抜かれてしまうことがあります。しかし追い風が吹いている場合、インコース勢はスタート時に加速しやすくなるため、アウトコースに追い上げられるリスクが減り、逃げ切りやすくなると言われています。
向かい風の場合はマクリが決まりやすくなり、アウト有利
一方で、向かい風の場合はアウトコースのマクリ(ターン時に外側から急旋回してインの選手を追い抜く戦法)やマクリ差し(マクリの際にさらに前方の艇に割り込んで追い抜く戦法)が決まりやすくなるため、アウトコースが有利とされています。追い風の時とは対照的に、向かい風の時はインコース勢がスタート時にうまく加速できなくなるため、アウトコース勢が追い上げやすくなるのです。
天候が荒れている際のレース展開
競艇のレース中止理由として最も多いのが「強風」です。風速10m以上の環境では、ボートが転覆してしまうリスクがあるため、特に台風が接近している日などは中止になることが多くなっています。それでも多少の降雨・強風であればレースは開催されるため、荒天時特有のボートレースの傾向についてしっかり学んでおく必要があります。
風が比較的強いと、ボートが風の影響を受けて制御しづらくなるため、ターンやスタート時の加速の難易度が上がると言われています。先程述べたとおり、追い風はスピードが出やすくなるためインコース勢に有利になりますが、風が強すぎるとかえってスピードが出しづらくなってしまいます。風向きだけでなく、天候、そして風量も視野に入れて予想を組み立てていきましょう。
特に海面の競艇場は風による影響が強い
競艇場の中には、徳山競艇場など海面を活用している競艇場も数多く存在します。海沿いは海風の影響で強風になりやすく、また荒天時には高波が発生したり、水位が上昇することから、海面の競艇場は特に天候や強風の影響を受けやすいとされています。高波が発生するとボートの制御が難しくなり、また水位が変動することで視界が変化してしまうため、スタートやターンのタイミングが掴みづらくなります。
モーター性能の進化で影響は小さくなっているとも言われている
ここまで風がレース展開に与える影響について説明してきましたが、一方で最近はモーターの性能の進化により風による影響は小さくなっているとも言われています。例えば、風速5m以下の向かい風程度であれば、トップスピードで加速できる場合が多くなっています。
とはいえ、現在でも「追い風はイン有利、向かい風はアウト有利」というセオリー自体はオッズに強く反映され、向かい風の際はインコースの選手のオッズが高めに設定されることが多くなっています。ですから、多少の向かい風であり、インの選手に実力の高い選手や調子の良い選手がいる場合は、このセオリーを逆手に取って、インコース勢の選手に投票して高い配当を狙うのも一つの手かもしれません。
風の吹き方に特徴がある競艇場8選
競艇においては風を読むことが予想の組み立てのポイントとなっていますが、ここからは特に風の吹き方に特徴がある競艇場を8つピックアップしてご紹介していきます。
三国競艇場
三国競艇場は夏場は海風が、冬場は強い北風が吹き、年間を通してホーム追い風が多くインコースが主導権を握る傾向にあります。インコースの強さは数字にも表れており、2連対率は70%、3連対率80%と高い数字となっています。また、三国競艇場はスタートラインのコース幅が62mと全国有数の広さであり、このこともインコース有利の傾向をより強めています。
常滑競艇場
常滑競艇場では、一年を通して伊勢湾からの西風が吹いています。この風はちょうどスタート地点から見ると向かい風になります。この向かい風はかなり強いために、コース西側には防風ネットが設置されており、またあまりに風が強いときには安定板の出番もあります。
また、実は常滑競艇場はフライングが多い競艇場としても有名です。選手がフライングを避けようとするためにスタートが横並びになることもあり、そういった場合には2・4コースが不利になる傾向があります。
平和島競艇場
平和島競艇場は周りを高いビルやマンションに囲われています。そのため、強風が吹きやすい春先にはビル風が吹き付けて水面が荒れやすくなります。風向きも季節によって変わり、春から夏または秋にかけては追い風、秋ごろから冬にかけては向かい風が吹きます。
特に注意したいのは、1レースから12レースの間によく風向きが変わるところです。前半のレースの風向きが同じで、コースごとの勝率が大体そろっていたとしても、急に自分が舟券を買ったレースから風向きが変わることもあります。
大村競艇場
大村競艇場ではインコースに追い風が吹きやすい構造になっています。追い風が吹くと第1ターンマークに波がたまって水面が不安定になり、アウトコースからのスピードをつけたターンが流れやすくなるので、インコースががぜん有利になります。また、競艇場のピットが第2ターンマークの観客席側にあるためアウトコースの選手にとっては窮屈で走りにくくもなるので、インコースの勝率が他の競艇場に比べて高くなるのです。
芦屋競艇場
芦屋競艇場では、季節を問わず北西からホームストレッチに向けて強い追い風が吹くことが多く、追い風に不慣れな選手を苦しめます。基本的に追い風はレースを先行するインコース勢に推進力を与え、逃げ切りに有利な状況を生み出します。しかし一方で、5m以上の追い風になると旋回が難しくなり、旋回時に空間的ゆとりが少ないインコース勢にはかえって不利な局面になってしまいます。そのため、レース当日は天気予報をチェックし、追い風についての情報をしっかり確認して予想していきましょう。
宮島競艇場
宮島競艇場では、沿岸部特有の海風と陸風の関係で、午前中と午後で大きく風向きが変化します。午前中は追い風になりやすく、逆に午後は向かい風になりやすい傾向にあります。追い風はスピードが出やすくなりインコースに有利になりやすい一方で、向かい風になるとレース展開も大きく乱れていきます。
潮の干満・風向きともに時間帯によって大きく変動するので、宮島競艇場は予想の難しいレース場と言われているのです。一方で高配当のレースも当然多くなるので、スリルを求める方にオススメできるレース場になっています。
徳山競艇場
徳山競艇場の南西、第1ターンマーク側には、標高365mの太華山がそびえ立っています。この山が西側の向かい風を遮断してしまうため、西からの向かい風が吹くことはほとんどなく、一年を通じて南東からの風(左斜め後方からの追い風)が吹きます。夏は東側からの追い風、秋は南もしくは南東の追い風が吹く傾向があり、この追い風がレースに影響を及ぼしています。
追い風が吹けば加速がしやすくなり、スピードのあるダイナミックなレース展開になります。穏やかでゆとりのある水面、一年を通じて吹く追い風といった要因により、徳山競艇場のレースはスピード重視の全速戦になりやすいのです。
丸亀競艇場
丸亀競艇場は海沿いに位置しており、周囲には風を防ぐ障害物もほとんどないため、風の影響を強く受けます。瀬戸内海は比較的穏やかな海ですが、丸亀競艇場では一年を通じて北からの向かい風が吹き続ける傾向にあり、日によってはレースの展開を大きく揺るがしてしまうことがあります。
特に冬の季節は向かい風が強く吹き荒れ、安定版を装着してレースすることもある程、水面は不安定になります。向かい風の際はスピードが出にくくなり、舟のコントロールも効きづらくなります。
公式サイトで現地の天気・汐見表をチェックしよう
各競艇場の公式サイトでは、レース当日の会場の天気情報をチェックすることができます!また、海面を利用している競艇場の場合は、潮の満ち引きの時間帯が記載されている「汐見表」も公開されています。水位が上昇する満潮の時間帯と、水面が荒れる天候状況が重なった場合、更にレースへの影響は大きくなるため、海面の競艇場の場合は必ず満潮の時間帯を確認しておきましょう。
まとめ
今回は競艇においてレースの展開に大きな影響を与える「風」について解説するとともに、風の吹き方に特徴がある競艇場や、レース当日の風などの天候状況を確認するのに便利なサイトなどについても紹介してきました。
風は競艇場の立地によって特徴があり、さらに季節や天候、あるいは時間帯などによっても変化しますから完全に読み切るのは難しいでしょう。それでも、ある程度の傾向を捉えておくことだけでも、予想の精度は変わってきます。今回ご紹介したポイントはぜひ予想の組み立ての参考にしてみてください!