競艇予想の方法には様々なスタイルがあります。的中率の高いインコースを軸にコツコツと払戻金をゲットしていくか、高配当を狙って「穴」に照準を当てるか。様々な予想の仕方を楽しめるのが競艇の面白いところです。今回は中でも、的中率は低いけど一発逆転の高配当を狙える「穴」について、競艇初心者の方にも分かりやすく解説していきます!
目次
そもそも「穴」って何?競艇予想の基礎知識をおさらいしていこう
「本命」や「対抗」あるいは「穴」という言葉遣いは、競艇初心者の方でも様々な場面で目にしたことがあるでしょう。そもそもこれらの言葉は、公営ギャンブルにおける「予想紙」という専門紙からきていることはご存知でしょうか?「穴」をねらっていくために、まずは「穴」の意味を解説しつつ、競艇予想の基礎知識をおさらいしていきましょう。
まず「穴」の意味をしっかり理解しよう
「本命」や「穴」といった言葉は、競艇を知らなくても聞いたことがあるでしょう。これらの言葉は「予想紙」という競艇の予想情報を専門に扱う新聞のようなもので使用される「予想印」からきています。予想紙においては選手を評価する際に、以下のような記号で表記され、これらの記号のことを「予想印」といいます。
・本命…◎(二重丸)
・対抗…◯(一重丸)
・単穴…▲(黒塗り三角)
・連下…△(白抜き三角)
まず◎(二重丸)で表される「本命」は、そのレースで最も勝つ可能性が高い選手などに付けられる予想印です。〇(一重丸)で表される「対抗」は、本命の選手を倒し得る選手に付けられます。そして本命、対抗に続いて勝利の可能性がある選手は「穴」と評価され、▲(黒塗り三角)で表されます。△(白抜き三角)で表される「連下」は、1着にはならないが、2着か3着には入るだろうという選手に付けられる予想印です。
つまり「穴」という言葉を分かりやすく説明すると、「普通に考えれば勝つ可能性はあまり高くないけど、もしかしたら勝つかもしれない選手」ということができるでしょう。
競艇における「穴」といえばアウトコース
競艇は1周600mのコースを反時計回りに3周して競う「周回」レースです。ですから、短い距離を航走できるインコースを走るボートが圧倒的有利とされています。実際に勝率データを見ると、最もインコースに入りやすい「1号艇」の勝率が他のボートと比べてズバ抜けて高かったりします。
ですから、競艇のことはまだよく理解できていないけど、とりあえず予想は当ててみたい!という場合は、まずはインコースに入りやすい1号艇を軸に予想を組み立ててみると良い、という話になります。
その反対に、一発逆転の高配当を狙って「穴」に賭けてみたいという場合には、必然的にアウトコースに入りやすい4~6号艇のボートの可能性に賭けることが多くなります。
アウトコースのボートが勝ちやすい状況を知る
では、競艇において穴とされるアウトコースに勝ちの可能性が出てくる状況とは、どのようなものが考えられるのでしょうか?今回は、競艇初心者が穴を狙いやすい3つの状況についてご説明していきます。
悪天候により水面条件が悪い場合
まずアウトコースが勝ちやすい状況とは、例えば風が強かったり天気が悪かったりで水面が荒れているときが当てはまります。
水面が荒れるとボートがターンを失敗しやすくなり、先行ボートのターン失敗のスキをついて後ろのボートが逆転する、という展開が起きやすくなるからです。
全国各地の競艇場は、季節ごとの天候の変化の仕方に特徴があります。「穴」を狙っていきたいのであれば、天候が悪くなり水面状況が荒れやすい競艇場にターゲットを絞ると効率的でしょう。
アウトコースに実力がある選手などが入る場合全てのボートレーサーは、勝率や出走回数などにより、「A1級」「A2級」「B1級」「B2級」の4段階のランクに分けられています。
初心者の方は「競艇のレースはランク別に行われるの?」と勘違いしてしまうこともあるのですが、競艇のレースはランクに関係なく行われます。つまり最上ランクのA1級と一番下のB2級のレーサーが同じレースを走ることもある、ということです。
レーサーについては、その年や季節の調子や競艇場との相性、あるいは水面状態に対する得意不得意などを考慮して予想を組み立てるものですが、初心者はまずは「ランク」に注目してみると分かりやすいでしょう。
特に「穴」を狙っていきたいのであれば、例えば「不利なアウトコースだけど他のレーサーと比べてランクが高い選手がいる場合」などがチャンスかもしれません。
インコース有利の度合いが比較的小さい競艇場
競艇において「穴」とされるアウトコースが勝ちやすい状況についてご紹介したあとは、全国にある競艇場の中でもインコース有利の度合いが比較的小さく、アウトコースの勝利的中を狙いやすい競艇場を3か所ご紹介し、それぞれでの予想の組み立て方も解説していきます。
平和島競艇場
平和島競艇場には、1コースの勝率が他の競艇場と比較してかなり低いという特徴があります。毎年勝率が50%を超えることはほぼなく、その一方で6コースの一着率が全国で1位となっています。ただし、それでもインコースが比較的有利なことには変わりがなく、アウトコースのオッズは高い傾向にあるので、平和島競艇場のアウトコースは競艇初心者でも狙いやすい「穴」といえるでしょう。
平和島競艇場で予想をする際には、風の向きと強さの変化に注意しましょう。追い風の時、風速5m以内であればインコースが強くなり、逃げでの勝率が上がりますから、アウトコースは難しくなります。一方で風速が5mを超えてくると、第1ターンマークを握って回った選手が流されやすくなり、差しが決まりやすくなる傾向があります。
向かい風の場合は、風速3m以内の風であればインコースが強く逃げやすいです。逆に風速3mを超えるとまくりが決まりやすくなってきます。
さらに、実は平和島競艇場では「斜行に対して厳しい指導が入る」という特徴もあります。となると、アウトコースの選手がまくりを決めて上位にあがってくる可能性が、ほかの競艇場よりも高いのです。まくりやまくり差しが得意な選手が4~6号艇でスタートするレースはチャンスかもしれませんから、見逃さないようにしましょう。
江戸川競艇場
河川を利用している江戸川競艇場は、普通の競艇場では観客席から見て左端にあるピットが観客席側にあり、通常とは逆のコースレイアウトになっています。さらに河口特有の風の強さも有名であり、全国でも屈指の難水面とされています。そのため他の競艇場では好成績を収めている選手が、江戸川ではサッパリ……なんてことがよくあり、レース展開が乱れやすく、的中させればかなりの高配当も狙えるスリルのある競艇場になっています。
実際に江戸川競艇場でのレース結果(2018年9月1日~2019年2月28日)を見てみると、1号艇の勝率は45.8%。通常、競艇は1号艇が圧倒的に有利であり、他の多くの競艇場では50%以上の勝率を収めているのですが、江戸川では1号艇の勝率がイマイチぱっとしません。一方で6号艇の勝率は4.6%と他の競艇場と比較して高い結果となっています。
難水面である江戸川では、当然旋回も難しく、イン含め多くの艇が苦戦してしまいます。1~5号艇が旋回に苦戦している隙に、外側で空間的にゆとりのある6号艇がスピードターンを決めれば、一気にインコースに食らいつくというレース展開が起きやすいのです。
特にテクニックのある選手が6号艇にいる場合は、アウトコースからの追い上げを期待して穴狙いの予想を組み立てると良いかもしれません。
さらに江戸川競艇場で重要とされるのが波乗り技術です。潮流・川の流れや強風の影響を受けやすい江戸川では、長いうねりを伴う波が発生します。この波を乗り越えられる技術があれば、アウトコースであってもインに食い込み上位に上がっていける可能性が出てきます。
戸田競艇場
戸田競艇場にはインコースであるほど第1マークまでの直線距離が長くなるというコースの形状の特性があるために、1号艇が強いという競艇における定石が比較的通用しません。
具体的なデータを見ると、戸田競艇場の2018年3月1日~2019年2月28日の1号艇の1着率は43.0%となっています。ちなみにインコースが有利とされている長崎の大村競艇場の場合、1号艇の1着率は68.2%となっており、戸田競艇場での1号艇の優位性の低さがよくわかるかと思います。
戸田競艇場で穴を狙う場合には、4号艇が狙い目といえるでしょう。過去1年間の成績を見ると5号艇と6号艇は1着率がそれぞれ2.8%、0.9%とかなり低い値となっている一方で、4号艇は6.5%と、アウトコースにしてはまずまずの成績を上げているからです。
ちなみに、なぜ4号艇が比較的強いのかというと、これは先述した戸田競艇場のコース形状が関係すると考えられます。
インコースに近いほど斜めに航行する必要があるために不利になりますが、4号艇あたりからはほぼ直線で航行できるために有利になります。そしてボートレースのもう一つの定石である「アウトコースほど不利」なことを考えれば、第1マークまでの航路が直線に近くかつ最もインよりの4号艇が比較的勝ちやすいことは納得がいくでしょう。
まとめ
今回は、的中率は低いけど一発逆転の高配当を狙える「穴」について、予想の基本をおさらいしながら解説をしてきました。
競艇初心者でも狙いやすい「穴」としては、通常であれば不利とされるアウトコースのボートがあります。一般的にはインコースが有利という定石がある中で、アウトコースの勝利の目がでてきやすい状況や競艇場を理解しておけば、競艇初心者でもロジカルに高配当の「穴」を狙って予想を組み立てることができます。
もちろん、それでも「穴」を的中させる確率が一気に上がる、ということではありません。しかし、だからこそ的中して高配当をゲットできれば、その時の醍醐味はリスクの低い予想では味わえないものとなるでしょう。競艇初心者のみなさんも、ぜひとも高配当を狙える「穴」の予想に挑戦してみてはどうでしょうか。