ボートレースは今や花盛り。個人から組織まで、幾人もの勇者たちが舟券予想という大きな壁に挑み、その思考から編み出される予想力を競っています。
しかし、舟券予想に挑み続けるのは大変なことです。毎日毎日頭を悩ませながら展開を考え、選手同士の力を比較し、モーターの調子をしっかり見極める。そのうえで予想を公開してなお、ボートレースは思い通りになりません。
そうした日々が続くと、やがて更新の意欲が減っていきます。生活の変化もあるでしょう。ボートレースは楽しいですが、それにかかりきりになってもいられなくなります。
本記事で紹介するのは、「競艇予想トリプル覇王」というウェブサイトです。すでに更新が停止しているサイトですが、そうした中からも学べる内容は存在します。実際に当たっていたのか外れていたのか、検証して舟券理論と予想力の向上に活用しましょう。
目次
競艇予想トリプル覇王とはすでに更新を停止した競艇予想ブログ
競艇予想トリプル覇王とは、かつて活動していたボートレース予想サイトです。ブログサービスを用いた簡素な作りをしており、毎日の投稿が前提の個人サイトとしてはよくある形といえるでしょう。
そして、「かつて」と前置きしたとおり、競艇予想トリプル覇王はすでに活動を中止。チャレンジカップ2017(下関競艇SG)の予想を最後に、完全に更新が止まりました。
また、11月のチャレンジカップの前の予想が6月の太閤賞2017(住之江競艇G1)まで飛ぶので、投稿のモチベーションが完全に失われていったことがわかります。
競艇予想トリプル覇王のtwitterも停止
競艇予想トリプル覇王はTwitterアカウントも開設していましたが、2021年現在はすでに更新されていません。自動投稿botも2018年2月12日に活動を停止しており、完全に放置された状態になっています。
実のところ、こうした事例は決して珍しくはありません。競艇予想トリプル覇王の予想記事を閲覧すればわかるのですが、このサイトは無料のseesaaブログを通じて運営されており、おすすめの有料予想サイトへのリンクが貼ってあります。
そういう意味で、競艇予想トリプル覇王は名前どおりに予想を売ってマネタイズするわけではなく、優良な予想を通じてPVを増やし、おすすめの有料予想サイトへのコンバージョンを狙うタイプのブログだったといえます。
ですが、これは言うまでもなく茨の道です。とりわけ、今は個人ブログにとって厳しい冬の時代。すでに何年も運営ログがあり、ドメインパワーをしっかりつけた大手サイトを追い抜くことは、そう簡単には果たせません。
残念ながら、競艇予想トリプル覇王はその大きすぎる壁に徒労を覚え、更新をやめてしまったのでしょう。せめて熱烈なファンがいれば話は別ですが、世の中のブログの多くは気づかれることもなくひっそりと消えていくものです。
競艇予想トリプル覇王を4レースで検証
すでにメディアとしては死んでしまっている競艇予想トリプル覇王。言ってしまえば、王の死体なわけですが、果たしてこの王が名前の通りに偉大であったかどうかを確かめるとしましょう。
競艇予想トリプル覇王には、複数の競艇予想が各レースごとに厳選して投稿されています。これらをランダムに4レース抽出し、その予想の精度がいかなるものかを見ていきます。
2017年11月25日下関6R(第20回チャレンジカップ[5日目])
【競艇予想トリプル覇王の予想】
3-126-126
3連単6点
5ヶ月ぶりの更新にして、最後の投稿となった予想です。ボートレース下関で開催されたSG競走チャレンジカップの予選でした。
とはいっても、チャレンジカップは別の開催を同じレース場で実施する特殊な競走です。実際、第6Rもトップクラスの女子レーサーだけで組まれた超豪華なレディースバトル。すなわち、同時開催の対象たるレディースチャレンジカップの予選でした。6日間開催の5日目に予選があるあたりに、番組構成の面白さがあります。
競艇予想トリプル覇王の予想は、3号艇の松本晶恵選手の頭固定。1号艇谷川里江選手、2号艇岸恵子選手、6号艇守屋美穂選手を2着3着につけましたが、ここまでオール3連対で全国勝率的にも最上位の4号艇海野ゆかり選手を切る大胆な内容でした。
【予想したレースの結果】
3-2-6 的中
34,200円(78番人気)
そして、なんと3万舟の特大ホームランを見事に打ち当てました。記事が更新されたのはレースの24分前であり、直前の気配まで見た会心の内容だったのでしょう。もっとも、seesaaブログは記事編集時刻を隠せるかもしれないのが、ちょっともったいないところ。
もっと予想を公開する媒体を選んでいれば、「万舟券を当てまくる覇王」として名を馳せたかもしれません。それこそ、noteで予想を売れたかもしれないのです。あるいは、2021年現在はすでにそうしているのかもしれません。
2017年6月12日住之江11R(太閤賞[3日目])
【競艇予想トリプル覇王の予想】
1-23-23
3連単2点
開設61周年記念の住之江のG1競走、太閤賞。3日目の第11R、予選競走がチョイスされました。1号艇の毒島誠選手をアタマに据え、2号艇の一宮稔弘選手と3号艇の平田忠則選手を2着3着の折返しの2点勝負です。
実のところ、これもかなりの勝負の買い目といえます。何しろ4号艇には赤岩善生選手、5号艇には白井英治選手、6号艇には西村拓也選手と、実績面でも思い切りの良さでも怖すぎるメンツがダッシュ勢にそろっていたからです。
スロー勢は軒並み好モーターを引いており、実際に3名とも勝ち星をマークしていたものの、果たしてボートレースの鉄板であるスロー勢決着となるかどうかが注目点でした。
【予想したレースの結果】
1-2-3 的中
2,170円(8番人気)
またしても的中を勝ち取りました。トップスタートは6号艇の西村拓也選手でコンマ10の好発でしたが、インの3艇を捉えるには至らなかった形です。きれいなスリットラインはインの艇に大いに有利になるという事実を教えてくれるレースでした。
それにしても、2点で21.7倍を仕留めるとは、まさしく研ぎ澄まされた予想の力としか言いようがありません。舟券予想で最も難しいのは、「いかにして余計な買い目を減らすか」という部分にあります。いつもいつも多点数を買っているようでは、いずれマイナスに転じるのは明白なためです。
こういった観点から見てみると、競艇予想トリプル覇王はすでに十分な覇王の風格を見せつけてくれました。ほとんど余計な買い目がなく、評価されるべき選手を間違いなく評価している姿は、もはや「ブログの更新を止めたのはプロにスカウトされたからでは」とさえ考えてしまいます。
2017年5月16日宮島12R(宮島チャンピオンカップ[最終日])
【競艇予想トリプル覇王の予想】
1-46-3456
3連単6点
出ました、優勝戦の予想です。優勝戦は最高に好調で技量のある1号艇が登場する傾向にあります。1号艇アタマを念頭に置いて買うには、絶好のレースといえるでしょう。
まして周年競走ともなれば、終盤レースのインはそうそう崩れません。たとえ優勝の誉れをかけた戦いであっても、インの艇を攻略するのは相当に難儀です。せいぜいキツイ前付けで助走距離が足りなくなり、インが崩れるお膳立てができあがるくらいでないと、かなり高い確率で1号艇が勝つでしょう。
そして、開設63周年記念の宮島チャンピオンカップは、1号艇の瓜生正義選手が節間5勝で絶好調の白いカポックでした。ただ、予想で面白いのが、3号艇の峰竜太選手を3着までに留めたところであり、加えて2号艇の池田浩二選手を完全に切った点です。
4号艇の桐生順平選手と6号艇の坪井康晴選手への信頼も強い舟券構成であり、5号艇の井口佳典選手もやはりSGレーサーですから、言われないとSGの優勝戦じゃないかと誤解しそうな好メンバーでした。
【予想したレースの結果】
1-6-3 的中
7,380円(23番人気)
当ておった。そう目を剥いてしまいそうです。スリットラインは2号艇の池田浩二選手がコンマ30の完全な凹み展開。通常なら3号艇峰竜太選手や4号艇桐生順平選手に展開が向きそうですが、なんと6号艇坪井康晴選手が最も上手く展開を捉えました。
一方で、コンマ11でトップスタートの1号艇瓜生正義選手は、壁がない状態でも圧巻の逃げ切りを決めました。
実は3着争いは3号艇峰竜太選手と5号艇井口佳典選手の僅差の戦いだったので、1-6-5ならさらに配当が上がっていたことを考えても、完璧というほかない予想です。
2017年4月24日蒲郡12R(KIRIN CUP[最終日])
【競艇予想トリプル覇王の予想】
1-24-246
3連単4点
競艇予想トリプル覇王では企業杯とだけ書かれていますが、かつてのボートレース公式がこう表記していただけで、2021年現在は正しく協賛企業の名前が記載されるようになっています。よって、正式名称はKIRIN CUPで、最終日12Rの優勝戦の予想です。
1号艇の田中信一郎選手は蒲郡の成績がイマイチでしたが、今節は3日目から6連勝と強いところを見せつけました。3連対率が60.20%ある好モーターを引いたことも、この快進撃に一役買ったのかもしれません。
相手の主軸に選ばれたのは、2号艇の芝田浩治選手と4号艇の東本勝利選手。ここで面白いのは、地元愛知支部で勝ち残った3名が3着以下に追いやられたことです。唯一、6号艇の仲口博崇選手だけが、ようやく3着に名前を連ねただけでした。
ただ、直前のスタート展示ではやはりというべきか、この仲口博崇選手が動きを見せて3コースまで前付けを敢行しました。インの艇にとっては厳しい戦いが考えられます。
【予想したレースの結果】
1-4-6 的中
1,560円(7番人気)
しかし、競艇予想トリプル覇王は問題なく的中を掴み取りました。本番でもスタート展示同様の隊形でしたが、コンマ08のトップスタートで1号艇の田中信一郎選手が逃げ、5コースの4号艇東本勝利選手が2着、3コースに前付けした6号艇の仲口博崇選手が3着でした。
追い風4mということもあって、多少の深インでも外から仕掛けづらい展開だったといえるかもしれません。そうした事実をロジカルに積み上げ、ずばり的中させた形です。
競艇予想トリプル覇王の評価
競艇予想トリプル覇王は、まるで魔法のように的中を積み上げていました。こうなると、「わざわざ予想を公開するほうがオッズに影響して損」とさえ思えます。もしも予想を改ざんしていたなら、それはそれでやはり無意味です。
結局のところ、競艇予想トリプル覇王での予想の公開は、当初考えられたとおりの実を結ばなかったのかもしれません。ただ、この予想が誰かの目に止まって新しい未来が開けたのかもしれないわけで、まったく世の中には神がかった予想をする強者がいるのだと痛感する結果でした。
競艇予想トリプル覇王は、少なくとも劇的な舟券の的中を見せていたらしいですが、残念ながらインターネットを駆使したマネタイズという面では失敗してしまった。そのような最終評価が下されることになるでしょう。