競艇選手のランクとは?ランクの決め方と重要性について解説
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競艇選手のランクとは?ランクの決め方と重要性について解説

UPDATE:2024.02.09
ボートレーサー

ボートレーサーにはランクがある!ということは、競艇初心者のファンでもなんとなく知っている知識かもしれません。ですが、レーサーのランクがどのように決まっているのか、ランクがレーサーにとって何故重要な要素なのか、といったところまでは理解できていますか?今回は、意外とちゃんとは知らないボートレーサーの「ランク」について解説していきます。これらを理解することで、競艇の予想ロジックの精度がグッと高まるかもしれませんので、ぜひご一読ください!

ボートレーサーのランクの決め方

現在、約1,600名が活躍しているボートレーサーですが、彼ら彼女らは過去のレースの勝率や事故率を基準に「A1」「A2」「B1」「B2」の4段階のランクに分けられています。

ランク分けは毎年1月と7月に更新されており、それぞれ過去6か月間のデータを元にランク分けが行われます。

「2連対率」「3連対率」

「2連対」とはレースにおいて上位2着以内に入ること、そして「3連対」とは上位3着以内に入ることをいいます。レーサーのランク分けの基準の1つとなっている「2連対率」「3連対率」とは、それぞれ過去6ヶ月間のレースで「2着以内」「3着以内」に入った確率を意味しており、例えば2連対率30%以上とは、過去のレース100回中30回で2着以内に入っている、ということになります。

「A1」「A2」のランクを獲得するにはまずこの2連対率・3連対率において基準を突破することが必要です。特に「3連対率40%」というのは、3回に1回以上の頻度で3位以内に入賞することを意味しますから、ボートレーサーにとっては1位でゴールすることはもちろんのこと、なんとか3位以内に食い込むことも、ランクを上げるための大事な目標となってきます。

「勝率」

競艇のレースでは1着から6着までの全着順に「着順点」というポイントが付与され、その着順点の合計を出走回数で割った数値を「勝率」と定義しています。「A1」「A2」のランクを獲得するにはまず先述の2連対率・3連対率や最低出走回数といった指標でボーダーを突破する必要がありますが、そこから先はこの勝率によりランクが決まっていきます。

着順点はレースのグレードごとに点数設定がされており、まず一般戦については1着が10点、2着が8点、以下6、4、2、1点と付与されます。G1、G2レースではこれらにもう1点、SGレースの場合は2点プラスされた点が付与されます。また、それぞれのレースの優勝戦はさらに1点プラスという設定もされているので、例えばSGの優勝戦で1着となった場合には「10点」にSG競走のプラス「2点」と優勝戦のプラス「1点」が加わり、合計13点が付与されることになります。

レーサーにとっては、高い着順点をゲットできるチャンスであるSGやG1、G2等のグレードレースにより多く出場することが、勝率を上げる上でのキーポイントとの1つになっています。ただし、グレードが高いレースだと出場するレーサーのレベルも当然上がりますし、グレードレースに出たとしても順位が低いと着順点も低くなるので、出場すれば良し、という簡単な話ではない点も競艇の面白いところです。

「事故率」

事故率とは、以下の表のようにフライングなどの失格行為により選手に課せられる「事故点」を出走回数で割り出した値のことをいいます。最も事故点が高いのは、優勝戦(各レースの最終日に行われる優勝者を決めるレース)におけるフライングで、なんとマイナス30点!30点も事故点を課せられてしまうと、43回連続で無事故でレースを終えないと事故率が0.7を下回らない計算になるので、B2以上のランクに上がるには非常に厳しい状況になるといえるでしょう。逆をいえば、優勝者を決める大事なレースにおいてフライングを犯すことは、それほど許されない罰則だということです。

「最低出走回数」

ボートレーサーのランクを決める上では、最低出走回数も重要な基準となっています。なぜなら、2連対率・3連対率や勝率だけでランクを決めようとすると、出走数を絞ってこれらの数値を維持しようとするレーサーが現れる可能性があるからです。ボートレーサーはレースに多く出場しつつ結果もしっかり残すことが求められる、というわけです。

ボートレーサーが6か月の期間で出場できるレースの本数は最大でおよそ180回とされています。レースに出場するチャンスの多い「A1」や「A2」のレーサーであれば最低出走回数をクリアすることは比較的容易いといえるでしょうが、ランクが低いレーサーは出場できるレースが限られるので、少ないチャンスを反則を犯さずしっかり走りきることも重要になってきます。

「定率」

定率とは、ボートレーサー全体人数に対してそのランクに入ることの出来る人数の割合です。A1の定率は20%となっていますが、これはつまりボートレーサー全体のうち上位20%しかA1のランクを獲得できないことを意味します。

ちなみに、B2のみ定率が設定されていませんが、これはA1やA2などの高いランクの基準を満たすレーサーが定率集まらない場合を想定していると考えられます。

競艇レーサーにとってのランクの重要性

一定以上のランクでないとグレードの高いレースに出られない!

競艇においては、G3、G2、G1、そしてSG(スペシャルグレード)の4段階のグレードレースが設けられており、それら以外のレースは一般戦と呼ばれています。

グレードが高くなるにつれて優勝賞金の金額も上がっていき、年に8回しか開催されない最高峰のSGレースでは、なんと1回のレースで少なくとも1600万円もの賞金を獲得できます。

ただし、当然すべてのレーサーがグレードの高いレースに参戦できるわけではありません。レースごとに基準は異なるのですが、基本的にはランクが高いレーサーほどグレードの高いレースに出場するチャンスが増えます。特にG1以上となると原則として最高ランクのA1レーサーしか出場できない仕組みになっているので、レーサーにとってはまずはランクを上げていき、これらのグレードレースに出場することが目標となります。

レーサーの賞金額はランクに大きく左右される!

ここまでご説明してきたとおり、レーサーはランクによってレースへの出場回数や出られるレースのグレードが大きく変わってきます。これにより、獲得できる賞金額も大きく変わってくるのです。

具体的には、ランク毎の平均賞金額はこちらのとおりとなっています。

・A1・・・約3,300万円

・A2・・・約1,900万円

・B1・・・約1,100万円

・B2・・・   約800万円

ご覧のとおり、まずB1とA2との間でおよそ800万円もの差があることが分かります。これはA2以上からグレードの高いレースに出場できる機会が多くなることに関係しています。そして、A2とA1との間の差は、B1とA2との差以上に大きな開きがあります。A1レーサーは何千万円もの賞金が稼げるSGレースに出場できますから、ここまで平均賞金額がハネ上がるのです。

ちなみに、レーサー全体の平均賞金額は約1,600万円となっており、これは他の公営競技の選手と比べて比較的高額です。ただしその分、水上を爆速で滑走するボートで争う競艇という競技には大きな危険が伴なっている、ということを意味しています。

競艇予想の際にはレーサーのランクを要チェック!

初心者の方は「競艇のレースはランク別に行われるの?」と勘違いしてしまうこともあるのですが、競艇のレースはランクに関係なく行われます。つまり最上ランクのA1と一番下のB2のレーサーが同じレースを走ることもある、ということです。

ここまでご説明してきたとおり、レーサーのランクは直近6か月の成績が基準となって決まっていますから、ランクが高いレーサーほどその時点で高い実力を持っている傾向にあります。ですから、特に競艇予想の初心者は「ランク」に着目して予想を組み立てると良いでしょう。一人だけランクの高いレーサーがいる場合は、チャンスかもしれません。

また、少し難しい話ですが、ランクが更新される間際の時期、つまり6月や12月はレーサーにとっては次のランクを上げるための最後の追い込みをかけるタイミングになります。この時期で勝率や連対率などがボーダーラインにあるレーサーは普段より一層勝負をかけてくる傾向にあるというのも、予想の参考とすべきでしょう。

レーサーのランクは、競艇の公式ホームページ「BOAT RACE」に掲載されている「出走表」で確認できます。出走表には、レーサーのランクだけではなく、直近の勝率や2連対率・3連対率などのデータも確認できるほか、モーターやボートについても細かに情報がまとめられています。さらにBOAT RACEでは出走表だけではなくスタート展示や水面気象情報などのレース直前の情報も確認できるので、漏れなくチェックするようにしましょう。

まとめ

今回は、競艇においてレーサーのランクがどのように決まっているのか、ランクがレーサーにとって何故重要な要素なのか、そして競艇予想の際のチェック方法に至るまで、細かに解説してきました。

ランクはレーサーの実力を見るための指標であるとともに、レーサーにとってはグレードが高く賞金が高いレースに出られるかどうかを決める大事なものであり、ランクを上げてキープすることが最重要課題ともいえるものなのです。

もちろん、競艇ファンにとってもレーサーのランクは予想組み立てにおいて見逃せない要素です!競艇初心者は日頃からランクをしっかりチェックするクセをつけて、しっかり予想ロジックに活かせるようにしましょう!