2020年9月、元競艇選手の西川昌希が八百長発覚により逮捕される事件が発生しました。
八百長は公営競技でもあるボートレースでは、あってはならない行為です。
出走する選手が八百長に関与しているのであれば、さまざまなデータから導き出した予想は完全に無駄になってしまうでしょう。
この記事では、八百長で初の逮捕となった西川昌希がどのようなレーサーだったのか、八百長が発覚した経緯、現在の状況について解説していきます。
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目次
八百長で初の逮捕者となった西川昌希はどんなレーサーだった?
八百長で初の逮捕者となった西川昌希は104期三重支部所属のA1のレーサーです。
登録番号 | 456456 |
---|---|
登録期 | 104期 |
所属 | 三重支部 |
デビュー日 | 2009年5月1日 |
級別 | A1 |
総出走数 | 2,112 |
総優勝数 | 12 |
勝率 | 5.74 |
生涯獲得賞金 | 1億7,455万3,690円 |
通算2,112レースに出走し、優勝回数は12回。生涯獲得賞金は1億7,455万3,690円と、まぎれもなくボートレース界の上位に入る一人でした。
2009年にデビューしたのち、2013年にA級に昇級。その後2019年で引退するまでは、A級選手として活躍を続けていました。また、SGにも出場経験があり、ボートレース界でも十分な実力を持った選手です。
しかし、数多くのレースに出走し、着々と実績を重ねていた西川昌希でしたが、八百長が発覚して逮捕される約3ヶ月前の2019年9月30日付けて突然の引退を発表しています。
引退理由については「持病のため」と語っていますが、タイミングから考えても、今回の八百長が原因になったとしか考えられません。
八百長が発覚して逮捕に至った経緯
2020年1月8日に西川昌希は、前年に行われたレースで八百長を行い、見返り金として現金3,700万円を受け取った罪に問われて逮捕されました。
懲役3年、追徴金3,725万円の求刑となり、ボートレース界を去ることになったのです。A級選手として多くの賞金を稼いでいた選手が、なぜ八百長に手を染めてしまったのでしょうか。
八百長が実際に発覚したレースなどをもとに詳細を見ていきましょう。
逮捕3ヶ月前に競走会に自首していた
2020年1月8日に逮捕された西川昌希ですが、実は逮捕3ヶ月前の2019年9月ごろに、競走会に「外部の人間に情報をもらし、その人間が不正に利益を得ていた。」と、自らの八百長を認め自首していたそうです。
しかし、西川昌希が引退したのは2019年9月30日。
競走会に八百長の事実を自首していたのであれば、競走会はその事実を知りながらも約1ヶ月の間、何も対応をしていなかったことになります。
公営競技でもあるボートレースですが、八百長疑惑が浮上すればもちろんイメージの低下はまぬがれません。それらの疑惑を公にしないところを見ても、他にも闇が隠れていそうですね。
2020年1月8日に八百長初となる逮捕
2020年1月8日、西川昌希は親戚の増川遵と共謀、2019年7月2日に琵琶湖で開催されたレースの順位を操作し、見返りとして現金300万円を受け取ったとして逮捕されました。
しかし、逮捕後には他のレースでも八百長を行っていたことが発覚。2019年1月22日~2019年9月21日にかけて、合計20レースで八百長が行われており、合計で3,425万円もの報酬を受け取っていました。
そして、西川昌希は懲役3年、追徴金3,725万円を言い渡され、執行猶予もなく実刑判決となりました。
ここで問題なのが、八百長が行われたレース数です。
約9ヶ月もの間で20回にわたって八百長が行われていたことを考えると、ボートレースでは八百長が当たり前に行われている可能性も考えられます。
もちろん、公営競技であるボートレースで八百長が行われるのはあってはならないことですが、西川昌希のように八百長が明らかにっていない場所で八百長が行われている可能性は十分にあるでしょう。
選手宿舎にスマホを持ち込んでいたことが発覚
こちらも逮捕後に発覚した事実ですが、西川昌希は選手宿舎にスマホを持ち込んでいたことが発覚しています。
持ち込んだスマホを使って、親戚の増川遵へ連絡。枠番や情報を伝え、八百長についての計画を企てていました。
そもそも、八百長を防ぐために選手宿舎にはスマホの持ち込みができず、外部との連絡を遮断されます。
どのように選手宿舎まで持ち込んだのかは不明ですが、選手がスマホを持ち込めるような管理体制はずさんなものでないでしょうか。
競走会としても、このような管理体制をしっかりと整備していかなければ、今回の事件のように八百長が行われてしまう可能性が残されます。
八百長が発覚したレースを振り返る
今回逮捕のキッカケとして八百長が発覚した2019年7月2日の2つのレース。増川遵と計画を企て、飛ぶ(4着以下になること)打ち合わせをしていたようです。
それぞれのレースでどのような八百長が行われていたのか、見ていきましょう。
2019年7月2日びわこ7R
西川昌希の八百長が発覚したレースのひとつが、2019年7月2日びわこ7Rです。
西川昌希は2枠からのスタートとなりました。全体的に横並びのスタートとなりましたが、第1ターンマークで4号艇の荒井選手が転覆。
転覆した時点での着順で周回することがルールで決められているため、本来であれば「1-5-2」でレースが終わるはずです。
しかし、飛ぶことを企てていた西川昌希は、ホームストレッチ部分で不自然な減速。3号艇に3着を譲るような形にも見えてしまいます。
八百長をするにしても、バレないようにすればよいものの、これは明らかに不自然な動きです。
2019年7月2日びわこ10R
実は同日の10Rでも八百長が行われていました。
西川昌希は第1ターンマークを先頭で入りましたが、膨らんだことによって2号艇にインをつかれました。
一見、問題のない展開にも見えますが、このレースでも八百長が行われていました。おそらく、1着から外れる計画があり、わざと膨らんで2号艇にインを譲ったのでしょう。
しかし、素人目では分からないような動きで八百長を行う西川昌希は、それだけ技術の高い選手だったことがうかがえます。
前レースでは明らかな八百長が見えていましたが、このような繊細な技術で順位操作が行われてしまったら、防ぎようがないかもしれません。
西川昌希の現在は?
2020年1月に逮捕された西川昌希ですが、2023年3月に仮釈放が決まり、出所しています。また、6月2日には刑期が満期となりました。
釈放された今、西川昌希がどのような活動をしているのか見ていきましょう。
Twitter(X)を開設
西川昌希は、釈放された2023年3月からTwitter(X)を開設して、さまざまな情報を発信しています。
Twitter(X)では、競艇予想のほかに、刑務所での様子、競艇の裏話を暴露しています。
暴露ネタに関しては、ハッキリとした証拠を出してはいないものの、イニシャルを出したりとさまざまな内容を匂わしているようです。
八百長問題だけでなく、競走会にはびこるイジメ問題など、ボートレースの内部にいた人間だからこそ分かるような内容ばかりです。
もしかしたら競艇界をゆるがすようなビッグニュースを抱えているかもしれない人物なので、気になる方は要チェックです。
競艇と暴力団 「八百長レーサー」の告白を出版
逮捕後の2020年11月には、八百長の全貌を明かす『競艇と暴力団 「八百長レーサー」の告白』を出版しています。
暴力団の組長に育てられた過去や八百長の手口、不祥事をもみ消すボートレース界の隠蔽体質など、さまざま内容が綴られています。
西川昌希がどのような人生を送り、トップ選手として活躍しながらも、なぜ八百長に手を染めてしまったのか、気になる方は一度読んでみるのがおすすめです。
noteで競艇予想を販売
釈放後はボートレース業界から退くかと思われましたが、現在は距離予想をnoteで販売しているようです。
noteのフォロワーは、2023年9月時点で3,889人。それなりの人数が登録していることが分かります。
販売されている情報の精度については不明ですが、1レース300円、パック500円と、リーズナブルな価格で販売されているようですね。
レーサーとしての地位を失った今となっては、大切な収入源になっているのでしょう。
法人を設立している
西川昌希はTwitter(X)のスペースで運営会社からの収入があると語っていました。
何に関する会社を運営しているのかは、明かしていませんでしたが、note以外にも何らかの活動は行っているようです。
2023年8月にはYouTubeで「丸山ゴンザレスの裏社会ジャーニー」に出演し、八百長の手口や裏社会とのつながりを暴露しています。
このようなコラボ動画の出演料などが、運営する法人の利益になっている可能性はありますね。
まとめ
八百長が発覚して逮捕されてしまった元競艇選手の西川昌希。1年間で20レースもの八百長を行っていました。
今回は明らかに不審な動きが目立ったことによって八百長が発覚しましたが、素人目では分からないような動きで八百長をしている選手が他にもいる可能性は十分に考えられます。
昔から八百長についての問題が挙がることはありましたが、今回のように逮捕に至ったのは初めてです。しかし、西川昌希の逮捕も氷山の一角に過ぎない可能性も十分に考えられます。
ボートレースで八百長が常習的に行われているのであれば、予想を考える側として残念で仕方ありません。
ボートレースは公営競技でもあるギャンブルなので、公平性を保つ管理体制を徹底してほしいところですね。