競艇の予想をする際に欠かせない昔ながらのアイテムが「予想紙」です。インターネットなど様々な媒体で競艇の予想を入手できるようになりましたが、予想紙は各地の競艇場について熟知したプロが作成していますから、もしかしたら何よりも信頼度が高い予想情報かもしれません。
そこで今回は、競艇初心者に向けて競艇予想紙の基礎知識について説明するとともに、各地の競艇予想紙を紹介し、さらにより知識を深めたり競艇を楽しんでいただくために便利な競艇専門誌についても紹介していきます。
目次
「競艇予想紙」の基礎知識を身につけよう
「競艇予想紙」とは、競艇を含めた公営ギャンブルにおいて、レースの予想を行うために必要な情報について掲載している新聞紙のようなものです。専門の出版社などが発行しており、新聞紙のように1部数百円で購入したり、最近ではデータとして販売されておりコンビニのネットプリント機能で購入できたりもします。
まずは「競艇予想紙」の基礎知識について解説していきましょう。
「予想紙」は公営ギャンブルの必須アイテム!
競艇を含めた公営ギャンブルを嗜んでいる大人たちは、新聞紙のようなものを一生懸命に読み込んでいるイメージがあると思います。この新聞紙のようなものは「予想紙」と呼ばれており、公営ギャンブルでレースの予想を行うために必要な情報がぎっしり詰め込まれています。
中でも特に重要なのは、予想紙独自の予想情報です。公営ギャンブルファンが予想の参考とできるように、予想紙はレースの予想を独自に行い、後述するような「予想印」を用いてファンに公開しているのです。もちろん、予想紙の予想が100%的中するとはいえないのですが、予想紙も専門家としてプライドを持って予想をしているはずですから、特に予想に自信がない初心者は参考にする価値があるといえるでしょう。
「予想印」の意味をしっかり覚えよう
「本命」や「大穴」といった言葉は、予想紙を知らなくても聞いたことがあるでしょう。これらの言葉は予想紙で使用される「予想印」からきています。予想紙において選手を評価する際には、以下のような記号で表記され、これらの記号のことを「予想印」といいます。
・本命…◎(二重丸)
・対抗…◯(一重丸)
・単穴…▲(黒塗り三角)
・連下…△(白抜き三角)
まず◎(二重丸)で表される「本命」は、そのレースで最も勝つ可能性が高い選手などに付けられる予想印です。〇(一重丸)で表される「対抗」は、本命の選手を倒し得る選手に付けられます。そして本命、対抗に続いて勝利の可能性がある選手は「単穴」と評価され、▲(黒塗り三角)で表されます。△(白抜き三角)で表される「連下」は、1着にはならないが、2着か3着には入るだろうという選手に付けられる予想印です。
競艇の予想紙を一挙紹介!
公営ギャンブルにおける「予想紙」と、予想紙に掲載されているレースの予想情報の読み取り方まではご理解いただけたと思います。
競艇の世界では、地域あるいは競艇場ごとに予想紙が存在します。ここで、競艇界にある予想紙について一挙ご紹介していきます!
関東地方の競艇場の予想紙
関東地方の競艇場(桐生競艇場・戸田競艇場・江戸川競艇場・平和島競艇場・多摩川競艇場)で行われるレースを扱っているのは、主に「競艇ニュース」「ファイティングボートガイド」「ボートレース研究」の3誌です。
まず「競艇ニュース」は、昭和31年4月に設立された「スポーツライフ社」が発行している予想紙です。主に戸田競艇場のレースを取り扱っており、戸田競艇場のほか関東近郊の18か所のボートピア等で発売されています。値段は1部500円ですが、月額4,000円で全会場で取り放題というサービスも行っています。似たような名前に近畿地方の競艇場を取り扱っている「競艇専門誌ニュース」がありますが、発行元会社も異なる別ものなので、注意しましょう。
「ファイティングボートガイド」は、昭和38年11月設立の「タイムス出版社」が発行しています。ファイティングボートガイドは主に戸田競艇場・江戸川競艇場・平和島競艇場・多摩川競艇場・浜名湖競艇場のレースを取り扱っており、これらの競艇場のほか各地のボートピアでも購入することができるほか、コンビニプリントサービスや「e-新聞」にも対応しています。また、タイムス出版社は、先述の5つの競艇場のほかにも「桐生競艇場」において「競艇タイムス」という予想紙を発行しており、こちらはe-新聞で購入できます。
「ボートレース研究」は、関東地方3誌の中で最も古い昭和28年5月設立の「研究出版」が発行している予想紙です。
主に戸田競艇場・江戸川競艇場・平和島競艇場・多摩川競艇場のレースを取り扱っており、これらの競艇場やボートピアで購入できるほか、ファイティングボートガイド同様にコンビニプリントサービスにも対応しています。
東海地方の競艇場の予想紙
東海地方の競艇場(浜名湖競艇場・蒲郡競艇場・津競艇場・常滑競艇場)は、競艇場ごとに1~2種類の予想誌が発行されており、いずれもe-新聞に対応しています。
まず、浜名湖競艇場のレースを扱っているのは主に「浜名湖日競」と「大浜名」の2誌です。浜名湖日競は「有限会社日競社」が、大浜名は「有限会社大浜名」がそれぞれ発行しています。
蒲郡競艇場のレースを扱っているのは、競艇日報社が発行している「競艇日報」のみ。かつては、浜名湖競艇場のレースを扱っている有限会社日競社による「蒲郡日競」が存在しましたが、2015年3月31日に発行が中止されているようです。
津競艇場のレースは、中部出版印刷の「中部競艇」および「ハヤブサ」の2誌が扱っています。特に中部競艇はシェアも高く、津競艇場ファンにとってのマストアイテムともなっています。常滑競艇場のレースについては、常滑情報社による「とこなめ情報」のみが取り扱かっています。
近畿地方の競艇場の予想紙
近畿地方の競艇場(三国競艇場・びわこ競艇場・住之江競艇場・尼崎競艇場)については、主に3誌がレースを取り扱っています。中でも加州興業が発行している「競艇専門紙ニュース」は三国競艇場を除く3つの競艇場のレースを取り扱っており、近畿地方では大きなシェアを握っています。
他にも住之江競艇場及び尼崎競艇場のレースを取り扱っている「競艇研究」や、三国競艇場を取り扱っている「三国日報」が存在します。
いずれもe-新聞に対応しており、全国のコンビニエンスストアに設置されているマルチコピー機でプリントアウトができます。
中国・四国地方の競艇場の予想紙
中国・四国・九州地方の競艇場(児島競艇場・宮島競艇場・徳山競艇場・下関競艇場・鳴門競艇場・丸亀競艇場)については、下関競艇場を除く5競艇場について、それぞれ1~2誌がレースを取り扱っています。
最も規模が大きいのは、丸亀競艇場のほか九州の若松競艇場や芦屋競艇場も取り扱っている「ていゆうニュース」でした…が、2018年7月に発行元の艇友ニュース株式会社が廃業してしまい、ていゆうニュースも廃刊となってしまっています。そのため、丸亀競艇場・若松競艇場・芦屋競艇場については扱っている予想紙がない、という状況になってしまっているようです。ですから、これらの競艇場については、競艇場公式サイトに掲載されている予想情報や予想屋の予想情報、あるいはスポーツ紙による予想情報などを参考にするべきでしょう。
児島競艇場については「銀艇」「タイムス」、徳山競艇場については「3ちゃん」「必勝」、鳴門競艇場については「ボート通信」「競艇ブック」の2誌が、それぞれ予想紙として存在するようです。宮島競艇場についても「ブイ」という予想紙があります。しかし、下関競艇場については丸亀競艇場と同様に現在、予想紙がないようなので、競艇場公式サイト等を参考にしましょう。
九州地方の競艇場の予想紙
九州地方の競艇場(若松競艇場・芦屋競艇場・福岡競艇場・唐津競艇場・大村競艇場)については、まず唐津競艇場及び大村競艇場については、両方とも「かもめ」「必勝」の2誌がレースを取り扱ってくれています。若松競艇場及び芦屋競艇場については、先述のとおり予想紙を発行していた艇友ニュース株式会社の廃業により、現在は予想紙が存在しないという状況のようです。
やはりどちらも競艇場公式サイトに掲載されている予想情報や予想屋の予想情報、あるいはスポーツ紙による予想情報などを参考にするべきでしょう。また、福岡競艇場についても予想紙がないので、同様に競艇場公式サイト等を参考にしましょう。
こちらも競艇初心者は必見!競艇専門雑誌「競艇マクール」と「BOATBoy(ボートボーイ)」
ここまで、競艇の予想を専門に行う予想紙について、地域や競艇場ごとにご紹介してきました。もちろん、競艇の予想を行う上で、地元に特化した予想紙の情報は心強いものですが、他にも予想の参考にできる資料があります。それが、競艇の専門雑誌です。
競艇の公式ホームページ「BOAT RACE」では専門雑誌として「競艇マクール」と「BOATBoy(ボートボーイ)」の2冊が紹介されています。これらの2冊について解説していきましょう。
発行部数11万部を誇る鉄板の専門誌「競艇マクール」
まず競艇の専門雑誌といえば、発行部数11万部を誇る「競艇マクール」が鉄板ではないでしょうか。三栄書房により発行されている競艇マクールは、1993年8月に創刊して以来、漫画家の蛭子能収先生による連載コラムや、競艇の予想に大いに役立つ質の高い情報、あるいは競艇初心者に向けて競艇の魅力を伝える企画コンテンツなど、男女年齢問わず競艇を楽しめる雑誌として人気を集めています。
値段は税込みで720年(2019年3月時点)。毎月11日に発売されている月刊誌です。
リニューアルを行い生まれ変わった「BOATBoy(ボートボーイ)」
競艇マクールの創刊から約3年後、1996年3月に日本レジャーチャンネルより創刊されたのが「BOATBoy(ボートボーイ)」です。
日本レジャーチャンネルは日本モーターボート競走会やBOAT RACE振興会などの競艇関連団体からの出資により作られた企業であり、内容は競艇マクールと比べて主催者寄りになっており、競艇選手のインタビューや発売日以降に開催されるビッグレースの展望などが中心となっています。
値段は競艇マクールよりちょっとだけ安く、税込みで650円(2019年3月時点)。競艇マクールと同じく毎月11日に発売されている月刊誌です。
まとめ
インターネットなど様々な媒体で競艇の予想を入手できるようになりましたが、予想紙は各地の競艇場について熟知したプロが作成していますから、もしかしたら何よりも信頼度が高い予想情報かもしれません。
しかし、「ていゆうニュース」のように廃刊となってしまう予想紙も出てきてしまっており、「新聞とペンを持ち予想を考える」という昔ながらの競艇ファンの姿もそのうち見られなくなってしまうかもしれません。その前に、ぜひ予想紙を使っての予想を楽しんでみてはいかがでしょうか。